デイリーレポート
不思議な魅力溢れるリラックスして楽しんだお馴染み曲
▶東京には初来日だった アリ・ライアーソン(fl) さんのリラックスしたステージ、サイドメンバーは井上智(g) 佐藤ハチ恭彦(b) アキラ・タナ(ds) さんのクァルテット。アリさんはニューヨーカーらしいさばけて気さくで飾らない人懐っこい方で、昔から当店によく出演していたかのような錯覚を覚えるほど。とてもフレンドリーで、人の名前も一発で覚えられるのには驚きました。お父様のアート・ライアーソンは有名なスタジオ・ギタリストで、サッチモのあの「What Wonderful World」のギターを弾いているそうです。LA在住のアキラさんは彼女のバンドのレギュラー・ドラマーで、当店六本木時代には時々出演されていたいいドラマーです。
▶満席の客席は、お客さまの実に1/3はフルート奏者。彼女は40年に及ぶキャリアで常にダウンビート誌のトップクラスにランクされていて有名ですが、日本ではフルート界の人には憧れの方ですが一般の人にはあまり知られていないようですね。今回はジャパン ジャズ フルート ビック バンドのゲストでの来日だそうですが、フルートだけのビックバンドがあることを私は不勉強で知りませんでした。
▶音楽も飾らずにメロディーを素直に吹くフルートで、「私についてこい」と言う感じではなく、共演者に自由に演奏させまとめていくタイプのリーダー・ステージ。今年春お亡くなりになった天才フルーティスト、ジェレミーさんが晩年当店で年に2回ほど演奏されたような凄みのある圧倒的な迫力のフルート・サウンドとタイプが違い、選曲がスタンダード曲なのも相まって、聴く者を気持ちよくリラックスさせ楽しませる気持ちのいい奏者でした。一方で私は、惜しい人を亡くしたとジェレミーさんを思い出さずにはいられませんでした。
▶1st.stage…「ふしぎの国のアリス」からお馴染みの♪Alice in Wonderland、ボサノバで♪Black Orpheus (黒いオルフェ)、ビクター・ヤング♪Stella by Starlight、♪Stolen Moments…4年前のアルバムに入っています。C.ベイカー♪Have You Met Miss Jones…間にMCを入れながらスタンダードな親しみある名曲をリラックスして楽しみました。
▶2nd.stage…G.ガーシュイン♪Summertime、D.ブルーベック♪In Your Own Sweet Way、ボサノバ♪Estate (エスターテ)、♪Invitation、My only love はフルートです、とおっしゃってシナトラのヒット曲♪My One and Only Love、盲目のジョージ・シアリング♪Lullaby of Birdland、アンコールはサド・ジョーンズ♪Child is Born。
▶MCでも久しぶりの井上さんとアリさんの会話がはずみました。何でも、井上さんがコネチカットのレストランでの出演で、ダブルブッキングされたときの相手がアリさん。その日は井上さんとアリさんの2バンドで演奏した思い出があるそうです。アリさんは伝統あるBODY&SOULで演奏出来て嬉しかった、と感謝のお言葉を残されホテルに帰られました。こちらこそ、初来日演奏に当店を選んでくれてありがとうございます。今週の5日6日(土曜日曜)に「ラドンナ原宿」にビッグバンドのゲストとして出演されます。お近くの方、ぜひどうぞ。
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