デイリーレポート
初めて生でピアノを聴きいた曲に今注目され人気の一端を納得した素晴らしい演奏
2/21(土)は《榎本響クァルテット》榎本響(pf) 佐藤航(ss) 江原バンディ悠紀(b) 山口友郎(ds) さん
▶週末土曜の昨夜は、榎本響(pf) 佐藤航(ss) 江原悠紀(b) 山口友郎(ds) さんの《榎本響クァルテット》響さんはいま注目されているピアニストですが、昨夜の生演奏を聴いて納得しました。演奏曲も普段あまり演奏されないような曲が多く、その中にオリジナル曲を入れ、ステージングもとても良かったと思い私も聴き入っていました。
▶最後のアンコール曲でピアノの奏でた美しいメロディを聴いて 「あらッ?この曲、大昔 (六本木店時代) 聴いたワ」…思い出しました!!。リッチー・バイラークの、雲海に浮かぶ島のようなジャケットのLP盤。もう40年くらい前になるかしら。これまでこの曲を演奏されたピアニストはいませんでした。帰宅後、さていつ頃だったかしらと調べたら、リッチー・バイラークがついこの間亡くなったことを知り、昨夜演奏されたことが納得いきました。
▶若いピアニストがこうして弾いてくれたことを、とても嬉しく思いました。色んな多くのことは忘れてしまっている私の老化脳ですが、メロディの記憶は無くならないようです。ご参考までに [そのLP] と♪Sunday Song です。
▶1st.set…
ピアニスト ジョン・ヒックス♪After the Morning/つい先日78歳で亡くなったピアニスト リッチー・バイラーク♪Natural Selection/榎本響作♪日曜日/トランペッター フレディ・ハバード♪Little Sunflower…ラテンフィールの曲。
▶2nd.set…
クラリネット奏者ベン・ゴールドバーグ♪What Was That/榎本響作♪Awakening (目覚め)/榎本響作♪Ballad for…お父様に誰に捧げたバラード/榎本響作♪♪Strata of The Green (緑の地層)…曲のモチーフは下記の倉田レポとに詳しいです/リッチー・バイラーク♪Sunday Song…バイラードらしい透明感あるピアノソロ…(上段私のレポートに続きます)
===【倉田レポート】===
▶ピアニスト・作曲家の榎本響さんのリーダーライブ。共演は 佐藤航さん(ss)、江原バンディ悠紀さん(b) 山口友郎さん(ds)でした。昨年9月に続いて二回目の出演です。
榎本さんは昨年3月に洗足学園音楽大学を卒業され、バンドメンバーはすべて榎本さんの大学の先輩にあたるそうです。榎本さんのオリジナル曲とスタンダード曲を演奏されました。
▶50名近い観客が席を埋め静かな熱気に満ちています。20代30代の方が多く、常連客や外国人客もおられました。そんなか榎本さんが、静かで綺麗なメロディーを弾き始め、しばらくピアノだけの演奏になりました。落ち着いた音で一音一音に余韻が感じられます。波のように大きな音になっていくと、バンディさんのベース、山口さんのシンバル、そして佐藤さんのソプラノサックスが続き、一気に色彩豊かな演奏になります。
▶榎本さんのピアノソロになり、鍵盤に視線を落とし、観客に語り掛けるように端正なタッチで弾いていきます。目を閉じて頭を軽く左右に振りながら、音を味わうように弾き、顔を上げて演奏が勢いを増していくと、山口さんのドラムス、バンディさんのベースが呼応して大きく並走します。バンディさんの楽しそうな笑顔が印象的です。
▶佐藤さんのソプラノサックスソロでは、下方を見つめるようにして、ゆったりと吹いていきます。独特の抑揚で歌い方を感じさせながら、上下の動きが少し大きくなり刺激的な音を放ちます。山口さんとバンディさんは、じっくりと吹いていく佐藤さんと一体的になって並走し。榎本さんは落ち着いた音で寄り添っています。アンサンブルで華やかな演奏になり、再び榎本さんのピアノが前に出て静かに♪After The Morning の演奏を結びます。
▶榎本さんがマイクを取り、ご挨拶とメンバー紹介をされました。この後演奏する3曲を紹介し続けて演奏されました。
▶榎本さんは、ピアニストのリッチー・バイラークがお好きとのことで、前回も♪Elm を演奏されていました。先月にご他界をされたそうで、トリビュートという意味も込めて、♪Natural Selection を演奏されました。
▶先日デジタルリリースされた榎本さんのオリジナル♪日曜日は、とても思い入れの強い曲のようでした。前回榎本さんと長くお付き合いしている方がいて、日曜日の朝に、おいしいモーニングを食べて川辺を散歩し美術館へ行き、生きてきた中で一番幸せな休日を過ごした日をモチーフに書いた、とお話になりました。榎本さんが綺麗な音色を繊細に連ね、美しいフレーズを弾き、時折メンバーを見ながら弾いていきます。後半には情感が強く表れる演奏になり、山口さんがブラシからスティックに、最後はマレットに持ち替え丁寧に演出していきます。
▶2nd.セットでは演奏した4曲中、3曲が榎本さんのオリジナル曲でした。去年の冬に作った♪Ballad for は、二年前にご他界されたお祖父さまにお別れをした翌朝にできたメロディーを元に作ったそうです。当初、dBalald for My Grandpaというタイトルでしたが、自分のことだけではなくて、多くの人がこの曲にいろいろな想いを重ねて聴いてほしいと思い♪Ballad for としたとのことでした。
▶昨夏に書いたという♪Strata of the Green は、榎本さんが住んでいるアパートにはすべての窓が埋まるくらい蔦が生えていて、それを内側から眺めてみると、葉の形や色が違って蟻がいたり蜂が止まっていたりして、葉の一枚いちまいにいろいろな世界がある、と感じたそうです。それらが積み重なった地層のように見え、そこから、緑の地層という意味の曲名を付けた、と伺ったことがあります。
▶♪Ballad for、♪Strata of the Green の2曲を続けて演奏されました。♪Ballad forは、佐藤さんの伸びやかで優しい音色のソプラノサックス、榎本さんの繊細で美しいフレーズを弾くピアノ、山口さんがブラシを回しドラムを叩きシンバルを共振させていく多彩な演出、バンディさんの温かいベースの音色で、しっとりとした演奏になりました。
▶シームレスに、♪Strata of the Green の演奏が続きます。明るい光が射すような心地よい演奏になり軽快に進みます。バンディさんはエレキベースに持ち替えています。榎本さんのピアノソロは瑞々しい音色で、何か新しいことが起こるようなわくわくする気持ちを感じさせます。速度を上げていき、綺麗な音色を転がすように弾き進みます。
▶佐藤さんのソプラノサックスも、力強く刺激的な音色で進みます。榎本さんがリズミカルにピアノを弾き始め、山口さんのドラムソロに繋ぎます。これでもか、というほど緩急強弱を変え、多彩なドラムサウンドで観客を楽しませる演奏になりました。
▶アンコールでは、榎本さんがお好きなリッチー・バイラークの♪Sunday Song をピアノソロで演奏しこの日のライブの余韻を残すようにして幕を降ろしました。
▶終演後に榎本さんにお話を伺うと「前回よりもメンバーそれぞれが自由に演奏できるような構成にしました。その方がさらに力が発揮できると思いました」とのことでした。演奏を聴かせていただきながら、なんと個性的で曲者な四人だろうと感じていて、今回は特にメンバーそれぞれの特長が際立ったライブになったようです。
▶この日、榎本さんの初めてのアルバムがリリースされ販売されました。これまでにリリースした作品4曲を収録されているそうです。榎本さんご自身も完成したアルバムを見るのはこの日が初めてというほど、できたてほやほやのアルバムです。
▶京子ママが榎本さんについて、センスが良いと絶賛されていました。作曲/演奏の両面において、瑞々しい感性で繊細でありながら、聴き手の心を躍らせるダイナミクスを持つピアニストで、これからの進化がとても楽しみです!!
















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