デイリーレポート

親日家たちのベテランたちらしいジャズサウンド

▶ティム・アマコスト(ts,ss)さん率いる「NYSQ=NY Standard Qartet」メンバー、デビット・バーグマン(pf) 安カ川大樹(b) ジーン・ジャクソン(ds) さんのクァルテットは、毎年この時期になると日本ツアーを行います。もう10年ほどになります。ティムさんは18歳の時に早大に留学されている頃からのお付き合いですが、今は二人の男の子のパパ。すっかり中堅のプレイヤーになり、欧米ツアーで活躍中で、私も嬉しく思います。
▶デビットさんの奥様は女優の中嶋祥子さん。ジーンさんの奥さまも当店で知り合った日本人の奥様がいて今は日本とNYと行ったり来たりの活動をしています。安カ川さんは比較的新しいメンバーですが、皆さん親日家で日本が大好きな方たちです。スタンダード曲をデビットさんとティムさんがアレンジした曲を演奏されましたが、耳に優しい生音で、音色が綺麗であたたかく、さすがベテランたちらしいバランスの良いジャズサウンドを、ゆったり楽しませていただきました。
▶1st.stage…H.モーブリー♪This I Dig Of You…ティムさんテナーサックス。ソプラノサックスに持ち替えておなじみの曲♪It’s Don’t Mean A thing（スウィングしなけりゃ意味がない）、テナーサックスに持ち替えてバラード♪For Her Sake、T.モンクと言えば♪Misterioso…いつ聴いてもカッコイイ曲ですね。ドラムをフィチャーしてJ.コルトレーンの♪Giant Step…ジーンさんのドラムソロが素晴らしかった。
▶2nd.stage…D.バーグマンさんの♪Better Not…やめときましょ、という意味のようですが、後で私が曲名を聞いて「ベターナットー？」と聞くとデビットさん「それにしょうか」と言っていましたよ。親日家ですから納豆もよくご存じです。デビットさんアレンジの♪All Of Me…ティムさんソプラノサックスを吹きましたが、とても凝ったアレンジでした。♪Detour Ahead （迂回路）…多くのミュージシャンにカバーされていますね。♪Soul Eyes…J.コルトレーンで昔良く聴きましたが、ティムさんのテナーもとても素敵でした。ドラムをフィーチャーしてこのバンドのテーマ♪Rhythm Change、アンコールはラテンのリズムで♪Old Folks。
▶終演後、いま日本で来日公演中のコンサート（最近は地方でいろんなメジャーではないコンサートが行われているようです）を終えたミュージシャンが何人も入ってきました。この中に12月に椎名さんのレコーディング・メンバーでツアーする予定のトランペッターが、仲間を連れてティムさん達に会いに来たのでした。ティムさんら「NYSQ」は今日から日本ツアーで地方に出ます。お近くの方はぜひ聴きに行ってくださいね。
▶彼らとは別ですが、いまビルボードに出演しているリー・ピアソン(ds)さんが、私の友人と一緒に会いに来てくださいました。彼は17歳の時に初来日した時、私の耳を釘付けにしたドラマーで今は30代、いま超売れっ子ドラマーになっています。懐かしいやら嬉しいやら。若い頃をよく知っている人が活躍している姿に接するのは、いいものですね。そんなことを感じた夜でした。