デイリーレポート
NY仕込みのグルーヴでスリリングで気持ちのこもったステージ
9/24(木)は《大林武司fromNY クァルテット》大林武司(pf) さんと 小川晋平(b) 山崎隼(ds) デビット・ネグレテ(as) さん
▶シルバーウィーク最終夜は《大林武司fromNY クァルテット》大林さんは広島のご出身ですが、NYに長く在住し今は往ったり来たりして活躍されています。このサイドメンバーはご自身で選んだメンバー 小川晋平(b) 山崎隼(ds) デビット・ネグレテ(as) さんで、皆さん私も大好きなメンバーです。
▶店内は満席に埋まり、皆さん一音も聴き逃がさないような感じで熱心に耳を傾けておられました。ミュージシャンもそれに応えるような演奏を繰り広げ、気持ちのこもった緊張感漂うスリリングなステージになりました。終演後もお客さまはすぐ席を立たず、余韻を楽しんでおられる感じ。昨夜も多くのミュージシャンが訪れ、お店は昔のころに戻ったようなジャズクラブらしい雰囲気でした。
▶閉店まで残す夜は、あと2夜なりましたが、私はこれで終わるという現実味がなくて⋯ノーテンキで困ります(笑)
演奏曲に込めた想いを大林さんが選曲メモに。詳しいステージの様子は、倉田さんが丁寧にお書きになって投稿してくださいました。併せてご覧くださいませ。
▶1st.set…
大林武司作♪Go Up⋯スタンダード曲にフレッシュな響きを追求しするとシダー・ウォルトン(ブレイキーバンド初期のピアニスト)に似てきます/大林作ボサノヴァ曲♪Peace Bossa/映画 「Rose of the Rancho」 より ラルフ・レインジャーのラブソング♪If I Should Lose You/大林作♪Frost Moon (霜の月)/スタンダード曲デューク・ピアソンのバラード♪You Know I Care (僕の想い知ってるよね)⋯マイナーだけど良い曲なので演奏/テナー奏者ジョー・ヘンダーソンの名盤 「Inner Urge」 が有名/ジョージ・シアリング♪Conception (着想)⋯メジャーコードは勉強しなくてもマイナーコードを上手に扱えるとブルージーになる。
▶2nd.set…
大林作♪Essence (核心)⋯温かな哀愁を表現/ホレス・シルヴァーのバラード♪Barbara (女性名バーバラ)⋯知られざる熱いワルツ曲/大林作♪Soul Conversation (魂の対話)⋯モダンなハーモニーとピュアなソウルの融合/大林作♪Open Up Your Heart ⋯クロスオーバージャズをアコースティックに/カウント・ベイシー楽団の♪Li’l Darlin’ (愛しい人)⋯BODY&SOUL のこれまでに想いを馳せて感謝の気持を込めて 遅いテンポでいかに深くスウィングするか/アンコール曲はお馴染み曲ブレイキーバンドのボビー・ティモンズ♪Moanin’ ⋯ブルースとソウルが詰まった曲/かなり意味の深いアンコール曲でした。
▶以下は大林さんのメッセージ (選曲メモ用紙の隅に当店名を入れ込んだメモが書かれていました)
『魂(ソウル) が必要なんだ。この身体の奥深くに数々のブルースが 「遺産」 へと変わっていく。すべては「身体と魂」から始まったんだ!!』
=======【倉田レポート】=======
ニューヨークを拠点に国際的に活躍するジャズピアニスト/キーボーディスト/作編曲家 大林武司さんのリーダーライブ。出演は 大林武司さん(pf)小川晋平さん(b) 山崎隼さん(ds) デビッド・ネグレテさん(ts) ゲストとして広瀬未来さん(tp)がシットインされ、主に大林さんのオリジナル曲とスタンダード曲が演奏されました。
▶お店に入ると Kyokoママが私に「お帰りなさい(笑)」、小島さんが「おはようございます」と声をかけて下さりKyokoママが席に案内してくださいました。BODY の閉店まで、この日を入れてあと三日になりました。
▶定刻になり Kyokoママが開演を告げ、大林さん小川さん山崎さんデビッドさん (ネグちゃん)が登場します。ネグちゃんは、アルトとテナーの両方を演奏されますが、この日は数日前に購入されたという新しいテナーサックスの演奏でした。山崎さんのドラムスから演奏が始まり、大林さんのピアノ小川さんのベース ネグちゃんのテナーサックスが続きます。
▶ネグちゃんのソロパートになり、小さく上下に動きながら軽快に吹き始めます。滑らかに速度を上げて少しずつ力感を増していき、膝の屈伸が大きくなっていきます。左足で小さく足踏みしながらさらにパワフルに吹き進み、複雑で刺激的な音を放っていくとトリオも大きく並走します。
▶大林さんのピアノソロになり、小さく呟くようにしながらパワフルに弾いていきます。豪快な音色でありながらまろやかで美しく上品な響きです。その音を楽しむような表情で弾き、速度を増していきます。益々力強く、スリリングな演奏になっていきます。小川さんが大林さんを見ながら、ベースを弾いています。
▶ネグちゃんが戻り、テナーとピアノの合いの手で山崎さんのドラムソロになります。軽やかに叩き始め合いの手のたびシャープに叩き、大きな音になっていきます。アンサンブルで大林さんのオリジナル曲♪Go Up の演奏を心地良く結びます。
▶大きな拍手に一礼して、大林さんが♪Peace Bossa を弾き始めます。五日前に羽田~沖縄のフライトのときに書いた曲だそうです。小川さんのベース、山崎さんのドラムスがサンバのリズムを感じさせ、ネグちゃんが心地良いフレーズを吹き、大林さんが音を手作りしていくような端正なタッチでピアノソロを弾いていきます。
▶♪If I Should Lose You では、小川さんが落ち着いた響きの良い音でベースソロを披露します。少しずつ指先の力が増しパワフルな演奏になっていき、歌うように弾き進みます。さらに速弾きを織り交ぜ弦を大きく振るわせ残響を操り、華やかに強い情感を描きます。静かな表情にストイックな集中力と力感が浮かびます。
▶一月の曇りの日に書いたというワルツ♪Frost Moon (霜月) は、ネグちゃんが一時退場しトリオでの演奏になりました。大林さんのピアノと小川さんのベースが響き合い、山崎さんの柔らかく繊細なブラシの音が寄り添います。小川さんが緩急強弱を変え情感の揺れを描いていき、大林さんが羽のように軽やかに、美しいフレーズを弾いていきます。
▶♪You Know I Care では、ステージに戻ったネグちゃんが柔らかく伸びやかな音色でテナーソロを吹き、徐々に勢いを増して刺激的な音で吹き進みます。
▶大林さんは、広島でジャズ版ショパンコンテストのようなJapan International Jazz Competition (JIJC) を立ち上げたそうです。そのファイナルラウンドでは前日にくじ引きで演奏順番を決定後、自分の出演番号に課せられた課題曲1曲と自由曲2曲を演奏するそうです。8曲の課題曲の中から♪Conceptionを演奏されました。大林さんが前後左右に大きく動き、ここまでで一番ダイナミックなピアノソロを披露し、山崎さんが小さな動きでシャープに叩き轟音を放ちます。
▶1st.セットは70分を超える熱演で、短いお休み時間となってしまいました。2nd.セットに入り、ケニー・バロンに捧げたという♪Essence ではトリオでの演奏になりました。大林さんが楽しそうな表情でスキップするように演奏を進め、小川さんが二本指を弦の上で走らせ速くパワフルな演奏で、残響大きくベースを弾いていきます。
▶ネグちゃんが登場し♪Barbara では少し後傾になり、軽快にテナーを吹いていき、徐々に前後の動き大きくパワーを増して激しい演奏になっていきます。
▶ここからは、客席にいらっしゃったトランペット奏者の広瀬未来さんが登場しクインテットでの演奏になりました。♪Soul Conversation では、広瀬さんが柔らかくトランペットソロを吹き始め、ゆったりとした流れの中に高らかな音を散りばめていきます。いつの間にか華やかで刺激的な演奏になりました。
▶ヴォーカリスト&フリューゲルホーンプレーヤーのTOKUさんの♪Love Is Calling You の冒頭の歌詞 「Open up your heart」 をタイトルにした大林さんのオリジナル曲では、ネグちゃんがテナーソロで多彩な音を放ち、広瀬さんがトランペットソロで長い息で複雑な音を吹き、フロント二管を中心に華やかでゴージャスな演奏になりました。
▶大林さんが BODY&SOUL には大学生の頃からお世話になったと話し、演奏を聴いていらっしゃったKyokoママにありがとうございましたと述べ、会場全体で大きな拍手をおくりました。大林さんが♪Body And Soul とどちらにするか迷ったというKyokoママにおくる曲は、カウント・ベイシー楽団の♪Lil’ Darlin’ になりました。ソロパートでそれぞれに心を込めた演奏をおくり、Kyokoママに感謝の気持ちを伝えます。
▶アンコールでは♪Moanin’を軽快に演奏して終演となりました。会場には多くのミュージシャンが遊びに来られていて、終演後もバンドメンバーがミュージシャンや観客と懇談し、遅い時間までお店は賑わいました。大林さんも小川さんもネグちゃんも山崎さんも広瀬さんも、名残を惜しむようにKyokoママとの時間を過ごし、終電が無くなり日付が変わってもお帰りになりませんでした。





















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