デイリーレポート
安心して楽しんで聴いていられる数少ないシンガー
▶私は長い間ジャズクラブのオーナーをやって、ご存じのようにほぼ毎夜、お客様と一緒にライブステージを聴いています。でも私が本当に「安心して」聴いて、心から楽しんでいられるユニットやミュージシャンが全てというわけではありません。一般の方より耳が肥えている(40年もライブ現場にいるので当然です)そのせいで、どこかで「新レパートリーだけど大丈夫かな」とか「リハが十分でないな」とか、その楽曲の完成度をどこかで少し気にしています。特にシンガーの場合だと「今日は声の伸びはどうかしら」「今日の音程はどうかしら」…と終わるまで安心できません。
▶ペコちゃん(伊藤君子さん)は歌手人生50年、彼女のステージは心から「安心して」聴いていられます。昨夜のバッキングメンバーは、若井優也(pf) コモブチ・キイチロウ(b) 加納樹麻(ds) さんのトリオ。何でもこなせる実力者メンバーですが、そんな彼らプロの演奏者も、ペコちゃんの歌を楽しみながら演奏できるようで、皆さんニコニコしながらバッキングされていました。ペコちゃんのようなシンガーは貴重です。日本ジャズ界の至宝と言われるだけのことはありますね。
▶1st.stage…♪September In The Rain…外は小雨でした。♪A Song For You、♪New York State Of Mind、♪Wives And Lovers、♪Will You Still Love Me Tomorrow?、♪Just Friends、♪Ballad of The Sad Young Men、♪You’ve Got A Friends。
▶2nd.stage…若井さんの即興アレンジでトリオ演奏♪Autumn Leves。ペコちゃん登場♪What’s New?、♪I Didnt Know What Time It Was、♪What Are You Doing The Rest of Your Life?…還暦過ぎに聴くジャズと言われますが説得力はペコちゃんが一番、♪A Night In Tunisia、♪Historia Un Amor、♪Besame Mucho、♪Save the Last Dance for Me (ラストダンスは私に)、♪愛・燦・燦、♪Lover Come Back To Me、アンコールは♪Somewhere。ジャズからラテン、シャンソン…ジャンルを問わず幅広く多彩な選曲のステージを、お客様はもちろん、私も演奏者も「安心して」楽しませていただきました。男性は月末で忙しいのかしら…なぜか女性のお客さまが多い金曜の夜でした。
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