デイリーレポート
新しい才能と情熱に接しコアなジャズファンも満足
▶昨夜は、いつも当店で多くのグループに参加している上村信(b)さんの初リーダーライブ、上村さんとはレギュラーとも言える緑川英徳(ts)さんと高橋徹(ds)さん、そしてサイモン・コスグローブ(pf)さんのピアノというクァルテットで、私も、ある意味では「新人」のライブに接するような新鮮な思いでこの夜を迎えました。
▶上村さんは普段はとてえもシャイな方で、彼とはあまり親しく話したことはありませんでした。普段の演奏は、淡々と立派にサポートする演奏家とは思っていましたが、こんなに才能豊かな方とは思わず「能ある鷹は爪を隠す」のことわざを実感しました。全編が彼のオリジナル作品で、その発想が素晴しく、メロディーとリズムも素直で、実は音楽に対して熱い情熱を持っているのが良く解る心に響く曲と演奏でした。MCでのお話もお人柄が感じられました。サイモンさんは上村さんの曲はリハーサルを少ししただけということですが、初見で弾かれたとは思えないほど。新鮮で聴き応えのあるステージでした。
▶1st.stage…♪The Song Post、♪Time、♪A Song For Train。♪Maebashi…上村さんが高校まで育った前橋、大学は名古屋で過ごしサラリーマンになったが飽き足らず東京に来てベーシストになられたそうですが故郷の前橋を思って作曲した、ということでした。ご自分では暗い曲と言っていましたが、哀愁があって良い曲でしたよ。♪Dendrobates…アフリカに生息するヤドクガエル、ヤリの先につけて毒矢として使われている毒だそうです。アップテンポの曲でした。
▶2nd.stage…サックス奏者のJ.ヘンダーソンをイメージして8小節書いたら色んなサックス奏者が浮かんだので♪+7…緑川さんをフィーチャーしました。昨年亡くなったベーシスト、チャーリー・ヘイデンに捧げた♪Charlie…上村さんは彼のベースが大好きだそうです。6月の昼に練習していて出来た曲♪Rain Drops…は素直で綺麗な曲でした。一緒にツアーしたJ.ムーディーさんも、当店でいつも良く一緒に演奏していたセシル・モンロー(ds)さんも皆亡くなられて…その二人を偲んで♪Miss You…良い曲でジーンときました。♪Tha Last Phase of The Moon…そういえば昨夜は満月でしたね。いま思い出しました。アンコールは♪Wish A Smile。
▶まだリーダーライブとはいえ当店でもメジャーとはいえない上村さんで、客席は寂しかったのですが、コアなジャズ好きな女性がいらしていて、いつもサイドメンの上村さんがリーダーでどんなジャズになるのか興味津々でいらっしゃっていて、演奏を聴いてあまりの良さに感動し、また絶対聴きたいとリクエストいただきました。私もスタッフもとても良いと思った演奏だったので、来年になると思いますがまたやりたいと思います。
読者の投稿