デイリーレポート
静と動のコントラストのいい選曲で歌心あるドラミングに惹き込まれる素晴らしい演奏
7/25(土)は《北澤大樹トリオ》北澤大樹(ds) 成田祐一(pf) 古木圭祐(b) さん
▶週末土曜は北澤さん率いる《北澤大樹トリオ》サイドメンは 成田祐一(pf) 古木圭祐(b) さん。北澤さんは最近米国のジャズ界で評価が高く、ここに留学される若者も増えていてビッグバンドで有名な北テキサス大学を出て向こうで活躍され帰国。当店に出るようになり、最近特にコールの多い人気ドラマーです。
▶彼のドラムスは歌心があり、メロディーが聴こえてくるようなドラミングがとても良いと思ってブックしています。英語も得意で、ジャズのスタンダード曲はたいてい英語の詞がついているので、深い意味まで理解して叩いているのだと思います。昨夜のステージも、静と動のコントラストのいい選曲構成で、素晴らしいトリオサウンドを堪能しました。
▶客席は満席に近く、皆さま熱心にお聴きになっておられました。北澤さんは、ここでの演奏を残しておきたいとレコーディンされました。同世代のベーシストで当店によく出られている中林薫平さんも聴きにいらしてました。中林さんは、よくいらして人の演奏を聴きに来られる勉強熱心な方です。
▶1st.set…
ミュージカル「Marianne」 よりスタンダード曲♪Just You, Just Me/[社歌」♪Body and Soul/同名映画よりスタンダード曲♪Never Let Me Go/ミュージカル「Wake Up and Dream」 C.ポーター♪What Is This Thing Called Love?
▶2nd.set…
ハービー・ハンコックの名盤よりタイトル・チューン♪Maiden Voyage/スタンダード曲 西部劇映画 「Wagon Wheels」 よりピーター・デローズ♪Wagon Wheels/レイ・ノーブルのインディアン組曲の中の♪Cherokee/アンコール曲はミュージカル 「A Little Night Music」 よりバラード♪Send in the Clowns でした。
=======【倉田レポート】=======
▶BODY&SOUL での北沢さんのリーダーライブは2023/9/20 の初回から、12月、翌年3月6月12月、翌年2月9月、今年1月と続き今回が8回目となりました。昨年から回数が少なくなっているのは、北沢さんが本格的にドラマーとしての活動を始め、様々な演奏家に招かれて大人気ドラマーとなり超多忙になっていったためと思います。
▶会場には多くの観客が詰めかけ、凄い熱気です。Kyokoママ が開演を告げ大きな拍手の中、メンバーがステージへ登場します。ドラムセットがピアノやベースの方に向いて設置されていて、北沢さんが成田さん古木さんの演奏を聴きコミュニケートしながら、一緒に最高のステージを創ろうとされていることが伝わります。昨夜はスタンダード曲を中心に演奏されました。会場には多くのマイクが設置され、レコーディングが行われました。
▶成田さんが静かにピアノを弾き始めます。目を閉じて鍵盤に顔を伏せ弾いていきます。少し少しずつ音が大きくなっていき、綺麗な音を転がすように弾いていきます。静かな表情で弾き、内包する強い想い熱い情熱を感じさせながら弾き進むと、すっと北沢さんがブラシでシンバルに触れる音、古木さんが弾く穏やかなベースの音が続きます。
▶北沢さんは左手でブラシを回し右手でシンバルに触れていきますが、ブラシの一本一本でドラムを擦る音が重なり合うように、いつにもまして優雅に響きます。古木さんのベースが前に出て繊細な音でメロディアスに弾いていきます。成田さんは独り言のように弾き続け、北沢さんの柔らかいブラシの音の中、古木さんのベースの音が優しくくっきりと響きます。
▶北沢さんが右手のブラシをスティックに持ち替え、軽くシンバルに触れていくと、成田さんのピアノソロになります。左手もスティックに持ち替えて軽くドラムスを叩いていくと、成田さんが勢いよく弾き進みます。繊細な音色のままダイナミックに弾き進むと北沢さんはスティックでシンバルを大きく叩き、成田さんの演奏が加速し歌うような演奏になっていきます。古木さんはそれらの音に絡み合うように、柔らかい音でベースを弾き成田さんがさらに強度を上げて疾走していき、北沢さんが大きくシンバルとドラムを叩きます。
▶成田さんは強いタッチでぐんぐん弾いていき、高い熱量を放って弾き進み古木さんのベースも勢いを増していきます。北沢さんはパワフルなサウンドを響かせますが、それでもなおしなやかなドラミングです。疾走を続ける成田さんは、ついには静かな表情で叫ぶようにして華やかな演奏を展開します。
▶古木さんのベースソロになり、低い音でゆったりと弾いていきます。穏やかな音を連ね繊細な響きで弾いていきます。ベースを抱えるようにして音を味わうように弾き、速度を上げて速弾きを見せます。残響を操り少しずつ音量を増していきます。この日、古木さんはマイクを使わず完全に生音だけで、美しいベースの音色を響かせました。
▶ピアノが前に出て、北沢さんのドラムソロになります。ピアノの合いの手でドラムスを叩いていきますが、シンバルの音を爽やかに響かせしなやかにドラムを連打していき、繊細さを極めるドラミングで観客を魅了します。軽やかなアンサンブルで、一曲目の♪Just You, Just Me の演奏を結びました。
▶Kyokoママに捧げて♪Body And Soul を演奏し、一曲一曲15分程度の時間をかけて丁寧に演奏が進んでいきます。スタンダード曲の演奏ですが、一曲として良く聴かれるような演奏は無く、三者三様に「繊細な華やかさ」 を印象付けながら、説得力のある演奏を続けます。特に2nd.セット最後の♪Cherokee は圧巻で、ファスト・スイングで演奏されるこの曲が聴いたことのないアレンジで、北沢大樹トリオの個性が際立つ演奏になりました。
▶成田さんは静かな表情でピアノを弾き、熱量が増していくと呟くようにして弾いて、時折は歯を食いしばるようにしながらとてつもなく熱い想いを込めて弾いていきました。1st.セットでは抑えめの演奏が多く、2nd.セットでは豪快で華やかな演奏が印象的でした。
▶古木さんはソロパートでは、曲ごとに多彩な技巧を見せ、繊細かつ独特の抑揚で歌うようにして聴かせる演奏を続けます。ピアノソロ ドラムソロ アンサンブルでも、絶妙な音量で心地良いベースの音を響かせ、大きな存在感を感じさせます。
▶北沢さんは、成田さんや古木さんの方を向いてドラムセットを設置して演奏をされましたが、多くの場面では目を閉じて、もの凄い集中力でお二人の音を聴きながら、繊細なドラミングを展開されていたように感じました。どれほどダイナミックなサウンドを響かせても、ドラムスを叩くのではなく最適な音を手作りし、バンド全体の音を演出していくような演奏でした。多くの著名なピアニストが魅了されるドラムサウンドです。
▶北沢さんは2022年に米国から帰国されましたが、コロナ禍の最中で演奏する機会がなかなか得られない中、2023年からBODY&SOULに出演されるようになりました。ある日、Kyokoママから電話があり 「自分のバンドはあるの?」 と聞かれ、当時はまだレギュラーバンドは無かったそうですが 「あります!!」 と答えたそうです。「それならウチでやりなさい」 と言われ、当時お世話になっていたミュージシャンに声をかけリーダーライブをされるようになったそうです。こうしたエピソードを紹介し、Kyokoママに心からの感謝の気持ちをお伝えになりました。
▶北沢さんトリオの演奏がBODY&SOULで聴けなくなるのは残念ですが、今後の益々のご活躍をお祈りしたいと思います。















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