デイリーレポート

新宿でお店が産声を上げた頃のバイトの女学生が米国からいらしてくれて大感激!!
9/3(水)は《Tides of Blue Trio》栗林すみれ(pf) 藤本一馬(g) 須川崇志(b) さん
▶深夜に帰宅した昨夜は、いつもと違って暑さも落ち着き少し秋の気配。暑い暑いといっても暦が確実に進んでいるのを感じました。そんな昨夜、客席にはちょと久しぶりにいつもの常連さん倉田さんがいらしていて、私はまた甘えてステージレポートをお願いし、私は音色のきれいなトリオ演奏に酔いしれた夜になりました。
▶もう一人、50数年ぶりにお会いした方が米国からいらしてくれて、びっくりするやら思い出すのに頭を絞るやら…。その方は、この BODY&SOUL というお店が新宿百人町で産声を上げた時、アルバイトをしていたアメリカ人の女学生で、お名前を伺うとリン・バーンスタインさん。その頃はまだライブ演奏は行っておらず、カウンターを手伝ってくれていました。現在はNYブルックリンにお住まいで、立派な息子さんと一緒に訪ねてくれたのです!! 日本語を忘れてなくて、話すことが出来てよかった。このお店のことは詳しく知らず、とっくに場所も経営者も変わっていると思っていたそうで、私と会ってとてもびっくりされていました。今日から京都と大阪に行って帰国されるそうです。メールで連絡を取り合いましょうと約束しました。私はもうNYに行くことがないと思いますが、もっと早く知っていればお会いしたのに…残念。長くやっていると色々な人生に触れますね。
◉演奏曲は以下です。演奏の様子は倉田さんにお願いした投稿を転載させていただきます。
▶1st.set…栗林すみれ作♪Here, My Home。藤本一馬作♪Let Me。すみれ作♪Tides of Blue…2月に発表したアルバム「Tides of Blue」のタイトル曲。3つの音のことなる青の波が重なり大きな三潮となるイメージだそうです。藤本作♪Dew。
▶2nd.set…藤本作♪Pathway to Light。すみれ作♪The Ways to Come Back Home Again。すみれ作♪Road。♪Rabo de Nube ラボ・デ・ヌベ=雲のしっぽ)…作曲者シルビオ・ロドリゲスはキューバの新しい音楽運動を代表する存在。アンコール曲はブラジルのソングライター フラーヴィオ・ヴェントゥリーニ♪Nascente (ポルトガル語で“源流”の意味)
=====以下は倉田さんによる臨場感溢れるレポートです=====
ピアニスト&作曲家の栗林すみれさんは、B&S渋谷新店に初出演されるときに、藤本さん須川さんとのこのトリオを編成されました。当時、藤本さんと須川さんがデュオで演奏されることがあり、どんなことをやっているのだろう、という興味でトリオを組んでみたそうです。その後B&Sでライブ演奏の回数を重ね、いま音にこだわり抜いたアルバム 「Tides of Blue」 をリリースされるほど大切なトリオになったとのことでした。
▶ステージに登場したすみれさんが、ご挨拶とメンバー紹介、そして今日は「Tides of Blue」 の収録曲を中心に、須川さんがご用意された曲を演奏します、と話し一曲目の♪Here My Homeの演奏が始まります。
▶すみれさんが小さな音で綺麗なメロディーを弾き始めます。その弾き始めの音は、とても豊かな潤いを感じさせる響きで、その美しさに改めて驚きます。すみれさんが力強く弾き、柔らかい音で弾くと藤本さんのギターがそっと続き、須川さんもベースを弾き始めます。波のように大きくなったり小さくなったりしながら、三重奏で進みます。藤本さんのギターソロでは、繊細な音で弾き明るい音になって弾き進みます。
▶すみれさんのピアノソロでは、瑞々しい音で弾き、速度を上げて華やかに弾いていきます。高く明るい音色を響かせ、しっとりとソロを弾き終わります。須川さんのベースソロになり、残響が短く力強い音で弾き、独特の速弾きになります。弦を弾く一音に魂を込めるような強さで、とてつもない速さです。三重奏になると、三者三様に優しい音で弾き、呼応し合いながらスケールの大きな演奏になっていきました。演奏が終わると、すみれさんが嬉しそうに二人を見ながら、うんうんと頷いています。
▶今年2月にリリースしたアルバムのタイトル曲♪Tides of Blue は、3つの色の、異なる青の波が重なり大きな潮となるイメージ」 で、須川さんが命名してくれたそうです。このアルバム制作ではミックスに手間をかけ、エンジニアの方も限界まで力を尽くしてくれて、ミュージシャンからもめちゃめちゃ音が良いね、と褒められるほど、評判の高い作品になったそうです。
▶藤本さんのギターから柔らかい音色で始まり、すみれさんがピアノで波を思わせる旋律を弾いていきます。すみれさんの力強いピアノの音色に、須川さんの重厚なアルコの響きが重なります。藤本さんは柔らかくギターを弾いています。須川さんが弓を小刻みに動かし、多彩に情感豊かな音を放つと、すみれさんも藤本さんも大きく弾いていき、須川さんも華やかに弓の音を響かせます。ベースソロでは、指で弾いていき、躍動しながら、力感豊かに豪快な速弾きで観客を魅了します。
▶すみれさんが前後左右に大きく円弧を描くように動きながら、強い音でピアノを弾き、さらにパワフルに弾いていくと須川さんが呼応して大きな音になります。この日のすみれさんは、とてもダイナミックな演奏で、さらに激しく流星のように弾き進みます。藤本さんのギターソロになり、滑らかな音で始まり、高い音をたて続けに刺激的に弾いて、速度を上げ大きなストロークで弾いていきます。藤本さんもこの日は豪快な演奏が印象的でした。アンサンブルになり、この曲でも、三者三様に強い音で情感豊かに弾いていき、圧巻の演奏になりました。
▶終演後、今日は本当にパワフルな演奏でしたね、とお話しすると、すみれさんは 「一馬さんのギターが新しくなり、より強く一馬さんの感情を伝えるような音になった。その音だからピアノで大きく弾くことができた」 と話してくれました。実際、この編成で、これほど豪快で華やかな演奏が前面に出るステージは初めてと感じました。
▶また、改めて、このお三方の音の美しさに圧倒されました。すみれさんのピアノの音色は、可憐な音も豪快な音も、本当に瑞々しく美しい響きでした。須川さんの超絶技巧の凄まじいベースの音アルコの情緒豊かな響き、藤本さんのギターの繊細で情熱的なサウンドは、まさしく芸術としての美しさが際立ちます。そうしたことを感じながら、あっという間に、幸福な時間が過ぎていきました。
▶1st.set…すみれ作♪Here My Home、藤本作♪Let Me…、三人をイメージしたアルバムのタイトル曲 すみれ作♪Tides of Blue、藤本さんが以前住んでいた家の裏にあった森が、ある日伐採され無くなってしまった悲しみを書いた♪Dew。
▶2nd.set…藤本作♪Pathway to Light、すみれさんが家に帰るための様々な方法を考えて作った♪The Ways to Come Back Home Again、すみれ作♪Road、キューバのシンガーソングライターのシルビオ・ロドリゲス作♪Rabo de Nube(雲の尻尾)。アンコール曲は、フラヴィオ・ヴェントゥリーニ作♪Nscenteでした。














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