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(2025年4月28日付 April 28th)

デイリーレポート

ドラマー率いる素晴らしいトリオサウンドに酔ったGW最初のデイタイムライブ

ドラマー率いる素晴らしいトリオサウンドに酔ったGW最初のデイタイムライブ

Kyoko

2025年04月30日 水曜日

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デイタイムライブで高橋信之介(ds) 竹下玲王(pf) 戸坂那姫(b) さんの《高橋信之介トリオ》


◉昨日は「昭和の日」でデイタイムライブ《高橋信之介トリオ》高橋信之介(ds) 竹下玲王(pf) 戸坂那姫(b) さん。以下のレポートは、常連さんの K さんが丁寧に書いてくださっている投稿を転載させていただきます。このユニットは、信之介さんが新しく結成したメンバーで、お二人は彼の生徒さんです。素晴らしい演奏で、若い二人を褒めたら「毎回演奏後に行う反省会で時々お説教されますから」とのこと。だから毎回進化しているのですね。
=====以下は K さんの投稿の転載です=====
▶ドラマーに厳しいと言われる BODY&SOUL の京子ママが、高橋さんは大好きなドラマーのお一人で、小曽根真さんにご紹介したら No Name Horses のレギュラードラマーとしてご活躍をされるようになり、日本のジャズドラマーで5本の指に入るとライブレポートに書いていらっしゃっいます。私が彼のドラミンウを聴いた過去三回は途中からでしたが、今回は最初から聴くことができました。
まずは演奏曲名から
▶1st.set…ブルックス・ボウマン♪East of The Sun(And WestOfTheMoonピアノをフィーチャーしてジミー・ヴァン・ヒューゼン♪ButBeautiful。ベースをフィーチャーしてバド・パウエル♪Hallucinations (幻覚)。高橋信之介作♪PeaceIn Chaos。ジェローム・カーンの♪I’m Old Fashioned。
▶2nd.set…オスカー・レヴァント♪Blame It on MyYouth (若気の至り)。テナー奏者コールマン・ホーキンスの♪Juicy Fruit。ベースをフィーチャーしてA.C.ジョビン♪Por Causa De Você。ファッツ・ウォーラーのミュージカル楽曲♪Ain’t Misbehavin’。高橋さんのドラムソロが圧巻のリチャード・ロジャース♪LadyIs A Tramp (気まぐれトランプ)。アンコール曲はチャーリー・パーカー♪Confirmation でした。
以下はステージレポートです。
▶ステージに登場し、高橋さんがご挨拶とメンバー紹介をされ、ゆったりと演奏が始まります。竹下さんが軽快にピアノを弾いて、高橋さんがリズミカルにブラシを回し、戸坂さんが心地良い音色でベースを弾いていきます。高橋さんがブラシを一閃、大きな音を放つと一気に演奏が走り出します。竹下さんは鍵盤を見詰めるようにして一心に弾き、高橋さんはスティックに持ち替えて華やかに、戸坂さんは温かい音でリズムを刻みます。
▶明確なソロパートは無く、アンサンブルで心地良い演奏が続きます。ピアノはさらに強く綺麗な音色で走り、ドラム、シンバルの音が爽快に響き、ベースは黙々と小気味良い音色で弾いていきました。このメンバーの皆さんの演奏を聴くことができ、嬉しくてこの曲の演奏の間に、何度も素晴らしいと感銘を受けます。演奏が終わると、高橋さんが♪East of The Sun (And West of The Moon) と曲名をアナウンスします。
▶竹下さんのピアノをフィーチャーしたバラード♪But Beautifulでは、竹下さんが静かな表情でゆったりと弾き始め、高橋さんがシンバルにブラシの反対側を滑らせ、ブラシを回して柔らかい音を響かせ、戸坂さんが優しい音色でポツリとベースを奏でます。一つ前の曲とは全く違う音、表現を感じます。竹下さんは、寡黙な表情で饒舌に弾いていき、シームレスにベースソロに繋げます。繊細なタッチで残響をふんわりと弾き、目を閉じて音を味わうように弾きながら、少しずつ強い音になっていきます。指の動きの力感を増していき、くっきりとした音色で切ない情感を伝えます。
▶高橋さんのブラシを回す音が、強くリズミカルになるとピアノとベースの音も生き生きと大きくなっていきます。竹下さんは鍵盤を見つめるようにしてぐんぐん速度を上げて弾き、高橋さんはスティックに持ち替え、華やかなアンサンブルになります。竹下さん戸坂さんからは緊張感が感じられ、スリリングな空気感の中、演奏が進みます。竹下さんは、ゆったりと、深い寂寥感を感じさせながら、綺麗なフレーズを弾いていきました。
▶戸坂さんのベースをフィーチャーした♪Hallucinations では、戸坂さんは目を閉じて大きな指の動きで豪快に弾いていきます。弦を叩き、弾き、弦の上で指を走らせるようにして速度を上げリズミカルに演奏していきます。速く端正なタッチで、残響を長く一音を強く、大きく歌うようにして弾いていき、少し苦悶の表情を浮かべながら、パワフルな演奏を披露されました。高橋さんがブラシからスティックに持ち替え、大きな音を叩くと演奏が疾走を始めます。
▶リムショットの爽快なリズム、シンバルの音が涼やかに響き、ベースは小気味良い音、ピアノはくっきりとした音色で走ります。リムショットを連打し、疾走感を増していき、ブラシに持ち替えて叩く音は豪快で、ドラムソロでは、シンバルを両手で連打し、手で押さえ、ドラムを勢いよく叩き、速度を増し、多彩さを極める演奏になりました。戸坂さんが歌いながらベースを弾き、強烈な速弾きを魅せました。
▶高橋さんのオリジナル曲♪Peace In Chaosは、コロナ禍前に書かれたそうですが、今の世界事情を描くような演奏になりました。戸坂さんの弓と竹下さんのピアノの重厚な音で始まり、高橋さんがバチでドラムを軽く叩きます。独特の抑揚で叩いていき、暗く、怪しい雰囲気を創ります。高橋さんはスティックに持ち替え、シンバルを連打し、大きな音になっていき、戸坂さんは不穏さを感じさせるリズムを刻み続け、力感を増し、大きな音になっていきます。
▶ベースだけの演奏で琵琶のような渋い音で弾き、苦悶の表情を浮かべ、強い想いを感じさせながら速弾きを魅せ、柔らかく弾き、ポツリを弾いていくと、竹下さんのピアノが続きます。平和を感じさせるような旋律を弾きますが、高橋さんがバチでシンバルを叩くと、戸坂さんのベースは再び、あの不穏なリズムを弾き始めます。耳に残り、離れなくなるリズムです。ピアノの音が大きく響き、シンバルの劇的な響きで演奏を結びました。
▶高橋さんが「このトリオでやりたいのはスタンダードナンバーの歌詞の良さやストーリーが見えるような演奏。楽譜通りにやるのではなく曲の背景がわかるような演奏で、スタンダード曲の魅力を増していきたい」と話します。
▶2nd.セットに入っても、聴き手の心の動きに寄り添い揺り動かしていくような、心地良く奥行きを感じさせる演奏が続きます。戸坂さんのベースをフィーチャーした♪Por Causa De Vocêでは、柔らかい音色で弾き、残響を優しく響かせます。後半では低く重厚な音で弾き、最後には力強い音になり、この曲が描く別れた恋人との再会と和解、愛の再燃を表現していくようでした。
▶♪Lady Is A Trampでは、高橋さんのドラムスのリズムとサウンドが圧巻でした。シンバルを速く小刻みに叩く軽快なリズムを中心に、竹下さんのピアノが疾走し、戸坂さんのベースが大きく歌います。高橋さんは、竹下さんと戸坂さんを見ながら、楽しそうに演奏を進めます。
▶この日の圧巻は、この曲での高橋さんのドラムソロでした。ゆったり叩き始め、ピアノ、ベースも絡みながら、強度を上げ、多彩に叩いていきます。ドラムスだけのソロ演奏に移行し、凄まじいスピードで、パワフルな演奏を展開します。時間と空間を支配するような、立体的で、豪快な演奏に見惚れ、聴き惚れます。エンターテインメント性に溢れる、素晴らしい一曲になりました。
▶アンコールには「♪Body And Soul を演奏することが多いですが今日はまだ明るいので元気のある曲を」と♪Confirmationを演奏され、この日のライブを結びました。
▶演奏を聴かせていただきながらメモを取っているのですが、素晴らしいライブほど、次から次へと書きたいことが浮かび、止まらなくなります。高橋さんのリーダーライブは、選曲アレンジ演奏のすべてが魅力的で、新鮮な瞬間ばかりです。高橋さんが竹下さんや戸坂さんを楽しそうに見守る様子はとても温かく、お二人は常に緊張感を持って、真摯でスリリングな演奏を披露されました。とても楽しく、充実した時間を過ごさせていただきました。次回も楽しみです。

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