デイリーレポート

若い感性たちのセンスのいい選曲と気持ちの良いサウンドを楽しんだ夜
《佐藤潤一クァルテット》メンバー メンバー 佐藤潤一(b) 松原慶史(g) 布施音人(pf) 中村海斗(ds) さん
◉GWを控えた週末金曜日は《佐藤潤一クァルテット》メンバー 佐藤潤一(b) 松原慶史(g) 布施音人(pf) 中村海斗(ds)。選曲もセンスが良くとても気持ちの良いサウンドに、お客さまも私も楽しみました。客席には常連さん K さんがいらしていて、丁寧なステージレポートを投稿されていたので、今回も転載させていただきます。
======以下 K さんの投稿から=====
まず演奏曲から
▶1st.set…アルゼンチンの作曲家・ピアニストのカルロス・アギーレ♪Milonga Gris、ディズニー映画「白雪姫」より♪Someday My Prince Will Come (いつか王子様が)、佐藤潤一作♪ASD (アサヒスーパードライ)、ヴィクター・ヤング♪When I Fall In Love、佐藤潤一作♪Red Brown…実家で飼っていた赤茶色の猫を想って書いた曲。
▶2nd.set…ベーシストのデイヴ・ホランド♪Shadow Dance、エスター・ウィリアムズ主演映画『恋のときめき(Thrill of a Romance)』の挿入歌♪I Should Care、デューク・エリントン♪In a Sentimental Mood、ジーン・デ・ポール♪I’ll Remember April、カウント・ベイシーの定番ナンバー♪Shiny Stockings、アンコール曲は京子ママに捧げて♪Body And Soulでした。
以下はステージレポート
▶ステージに登場し佐藤さんがご挨拶とメンバー紹介。軽く音合わせをして、早速一曲目♪Milonga Gris の演奏が始まります。布施さんの軽快なピアノに松原さんのギターが勢いよく続き、佐藤さんのベース中村さんのドラムスとともに滑らかに速度が上がり、ギターソロになります。松原さんは上下の動きが大きくなり、浮遊感のある綺麗な音色でぐんぐん弾いていきます。布施さんは顔を伏せ、強いタッチで軽やかにピアノソロを弾きます。高速に弾き、凄い力感で弾き進んでいくと、中村さんが大きな音で演出します。一曲目から疾走感溢れる演奏になりました。既に佐藤さんの額には大汗が浮かんでいます。
▶1stセットでは、佐藤さんのオリジナル曲を二曲演奏されました。♪ASD と♪Red Brown は特に人気の高い曲で、バンド編成によって全く異なる印象になります。佐藤さんが大好きなビールの名前を冠した♪ASD は軽やかなベースの音色から始まり、布施さんの明るい響きのピアノ、中村さんのリムショット、シンバルの小気味良いリズムが続き、松原さんがギターでこの曲の心地良いテーマを弾きます。布施さんが、独特のパワフルかつ精密なタッチでソロパートを弾いていくと、中村さんのドラムスが呼応して、豪快に演出します。このお二人の気持ちが通じ合ったコンビネーションは、波が押し寄せ、どんどん大きくなっていくような完成された迫力があって、聴きごたえがあります。
▶佐藤さんのベースソロでは強く弦を弾き、一音とくっきりと響かせ弾いています。軽やかに弦を撫でるように弾いては、弦の上で指を散歩させるように弾き、少しづつ熱気を帯びて速弾きになり多彩に歌うようにして弾いていきます。とても心地良い演奏で、ずっと聴いていたくなります。松原さんが再びテーマを弾いて、この曲の魅力を際立たせます。
▶♪Red Brownは、布施さんの静かなピアノの演奏から始まりました。この曲では、佐藤さんはエレキベースに持ち替えて、中村さんのブラシとともに、温かい音で寄り添います。ピアノソロに続いて、ベースソロになります。佐藤さんが歌いながら弾くエレキベースは潤いを感じさせ、より情感の深い音を響かせます。アンサンブルでは、四人がそれぞれに繊細さと大胆さを織り交ぜながら、華やかな中にしみじみとした想いを描き、鮮やかに演奏を結びました。このメンバーで聴かせていただく♪Red Brown は格別な味わいがあります。
▶2nd.セットに入ると、さらに演奏の熱量が爆上がりしていきます。一気に演奏が走り出し、松原さんが高速なピックの運びで豪快にギターを弾き、布施さんが静かな表情で、深い想いを込めて音を手作りするように弾いていき、もの凄いスピードで流星のように疾走していきます。アンサンブルでは、この一曲でエネルギーを使い果たしてしまうのではないか、と感じるほど豪快な♪Shadow Danceの演奏になりました。
▶佐藤さんがじっくりとベースソロを聴かせる♪I Should Care、松原さんがメロディアスにテーマを弾く♪In a Sentimental Mood、中村さんがリムショットとシンバルでサンバのようなリズムを作り、独特の抑揚で豪快にドラム、シンバルを叩いていく♪I’ll Remember April と、怒涛のように演奏が続きました。最後の♪Shiny Stockings は、ゆったりと演奏が始まり、松原さんがギアを上げてギターソロを弾き、布施さんが凄まじいスピードで精密な演奏を魅せ、気持ちを合わせたアンサンブルで鮮やかに演奏を結びました。
▶大きな拍手がすぐに手拍子に変わり、メンバーはステージを降りることができず、全く休めないまま、アンコールに応えます。佐藤さんが、渋く、温かい音色で弾くベースから始まり、各ソロパートを経てしっとりとした雰囲気を作り、心を込めて、社歌の♪Body And Soul を京子ママに捧げました。
▶佐藤さんのリーダーライブは、バンドメンバーが気持ちを通わせながら、自由で無心の演奏を披露され、いつもとても良い雰囲気になります。佐藤さんのベースソロの演奏は、声量が豊かで、多彩な表現を持つシンガーのようで、毎回聴かせていただくのが楽しみです。松原さんの自由奔放で豪快なギター演奏、パワフルでスリリングな演奏が響き合う布施さんのピアノと中村さんのドラムスと、個性が際立つメンバーのライブステージを楽しませていただきました。次回も楽しみです!!














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