デイリーレポート

メリハリの効いた意志のしっかりしたピアノトリオサウンドを堪能
《RINA トリオ》メンバー RINA(pf) 佐藤潤一(b) 濱田省吾(ds) さんの国立音大仲間
◉RINAさんは小柄な女性ですが、意志のはっきりしたピアノで私の好きなタイプです。ステージの様子と演奏曲のことは、常連さんの K さんが丁寧にお書きくださって投稿なさいます。週に何度もいらして、特に若者たち若い感性のジャズも熱心に聴かれ、また出演者とお話されて近況取材までされます。本当に頭が下がります。今回もお願いして転載させていただきます。
演奏曲は以下です。
▶1st.set…RINA作♪Radio Station、♪Someday My Prince Will Come、オスカー・ピーターソン♪Noreen’s Nocturne、RINA作♪Hope、RINA作♪Transparent Blue (透明な青)。
▶2nd.set…RINA作♪J.J’s Painting、♪Valse No.7…F.ショパンのワルツ第7番嬰ハ短調 作品64-2、RINA作♪Memories、RINA作♪Shadows of The Mind。アンコール曲は、スタンダード曲♪On Green Dolphin Street でした。
======以下 K さんの投稿より======
▶RINAさんのオリジナル曲、クラシックのオリジナルアレンジ曲、スタンダード曲を演奏されました。セットの初めに演奏されることが多く、勢いのある♪Radio Station の演奏に続いて、RINAさんがご挨拶とメンバー紹介をされました。昨年12月に続いて、国立音大のお仲間での編成で2回目になりました。
▶♪Someday My Prince Will Comeでは、瑞々しい響きで綺麗なメロディを弾き、一つ前の曲の演奏との違いが際立ちます。可憐な美しい音色で軽やかに弾き、いつの間にか生き生きと走るように弾き進みます。濱田さんはブラシからスティックに持ち替え爽やかなドラムサウンドで、佐藤さんはテンポ良く小気味良いベースの音色で並走します。佐藤さんのベースソロでは、大きく動きながら、華やかに歌うように弾き、表情からも力の入った演奏が伝わって来ました。
▶今年、生誕100周年となるオスカー・ピーターソンの♪Noreen’s Nocturneでは、再びパワフルで、疾走感に溢れる演奏になりました。少し時間に余裕がありそう、とのことでソロピアノ演奏でのしっとりとした♪Hopeを追加され、1st.セットは、♪Transparent Blueで締めくくります。RINAさんは躊躇なく、勢いよくピアノを弾き始め、佐藤さんが歌うようにして華やかにベースを弾き、濱田さんがここまでで最大出力のドラムソロを披露します。
▶この日のRINAさんは、曲の間に素朴な心情を語っていきました。お姉さまの生まれて二か月の赤ちゃんが泣いた姿を見た時に、なんて素直に自分の感情をそのまま伝えるのだろうと感じたそうです。ご自身が大人になるに連れ、自分の言動がどう思われるのか不安になることもあるけれど、赤ちゃんの涙を見てもっと素直に自分を表現していっても良いのではないかと思って作った曲が♪Hopeだそうです。静かな表情でピアノを弾き始め、少しずつ感情が表出し、色彩鮮やかな音色を響かせる、優しい演奏でした。
▶2nd.セットを始める前にRINAさんは、今年の7月に海外での公演が決まったことをご報告されました。国立音大バークリーを卒業して2021年までニューヨークで活動し、コロナで帰国して今日本でピアノを弾いていることが、本当にこれで良かったのかなとたまに思うことがある、と話します。でも今回、海外での公演のオファーがあったときに、ここで点と点が結ばれたと感じたそうです。海外での公演が決まったことは、RINAさんにとって大きな意味のあることで、これからも成長させてくれる場になると確信していて、皆さんにお知らせをしたかったと、ゆっくりと話していきます。「皆さんのおかげです。ありがとうございます」と結び、演奏が始まりました。
▶濱田さんをフィーチャーした♪J.J’s Painting、遊び心満載の豪快なショパンのワルツのジャズアレンジと、激しい演奏が続いた後、RINAさんは、佐藤さんと濱田さんにマイクを振ります。濱田さんはアルバムの紹介をし、RINAさんがジムに通っていること、引っ越しをしたら駐車場代が高かったことなどをおもしろおかしく話し、観客が爆笑します。RINAさんは「よくしゃべりますね」と軽く突っ込みを入れ、ジムは大好きで何故こういうことが起きてしまうんだろう、というときでもジムに行くとメンタルが強くなると、楽しそうに話します。さらに「こう見えても元陸上部」ということも明らかになりました。
▶楽しいMCの後に、RINAさんは静かな表情で優しいメロディを弾き、独り言のように、観客に語り掛けるように弾いていきます。佐藤さんが一音一音くっきりと、情感豊かな音でベースを弾き、独特の抑揚で歌うように弾き進みます。RINAさんが華やかな音を響かせると、濱田さんがバチでシンバルを共振させ、壮大な演出を加え、佐藤さんが弓の音を添えます。RINAさんがポツリと弾いて、しみじみと演奏を結びます。圧巻の♪Memoriesの演奏となりました。
▶一貫して、瑞々しくパワフルなピアノの音色ですが、一曲ごとに豪快で疾走感に溢れ、繊細で優しく可憐でロマンティックな演奏になり、全く異なる表現で観客を楽しませてくれました。心を許す佐藤さん濱田さんとのステージで、RINAさんのお人柄や力強い歩みなどが観客に伝わり、より深く作曲や演奏の魅力を感じさせていただいた特別な機会になりました。ホールでの演奏も多いRINAさんが「ジャズクラブって良いですね。京子ママ、ありがとうございます」とお話になっていたことが心に残りました。次回もとても楽しみです!!
















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