デイリーレポート
素晴らしい演奏に寂しい客席…に思ったこと
▶央紹さんのリーダークァルテット出演は随分久しぶりでした。昨夜の 鈴木央紹(ts) 荻原亮(g) 佐藤ハチ恭彦(b) 原大力(ds) さんの《鈴木央紹クァルテット》演奏は素晴らしく選曲のセンスもとても良かったのですが、聴き手が少なくもったいなかったです。やはり週明け月曜の夜は、特にコロナ禍では難しいですね。コンサートイベントもそろそろ自粛制限が解かれて、音楽関係も社会経済活動が始まろうとしています。
▶でも…例えば当店で公演が予定されていた「GTO Trio From イスラエル」は、ホールでの公演はOKで入国できるのに、ウチのような小さなライブ店での公演ビザは下りませんでした。もう何年も南青山店で来日出演しているのに!! このコロナ禍が始まった時も、ウチのように静かに聴くジャズクラブが、立ち席で歓声が盛り上がるいわゆるライブハウスと同列に扱われました。行政のコロナ対応のお役所仕事には、相変わらず納得できません。
▶いよいよコンサート・ホールでのジャズ演奏も始まり、ミュージシャンたちも活動再開。ジャズファンも待っていたように、オンラインではないジャズを楽しめるようになります。それはとてもいいことなのですが、私の中では、ジャズクラブでのライブジャズとコンサートホールで聴くジャズとは、別物だと思っています。飲食を楽しみながらリラックスして聴くお客さまと、目の前の演奏者が一体となって作り上げる音楽。素晴らしいインプロビゼーションになったり、いいフレーズが飛び出したり…それこそがライブジャズの良さだと思っています。
▶私がよく「化学反応」という言葉を使いますが、演奏家同士はもちろん客席も含んだ反応なのです。演奏家もそうした空気を身近に肌で感じることで、より進化・成長すると信じています。私は、演奏者が演りたいと言えば、セプテットでも大編成オーケストラでも演奏させてあげたいと思っています。小さなお店ではそれができず、クァルテットまでとか制限されると聞きます。(ちなみに6/4は13名のオケ、6/27のトリビュートライブは10名のオケ、隔月フロントページは10名オケです)そうして加えて、通勤帰りにふと聴きたくなってフラッと寄ったら、素晴らしいジャズが楽しめた。それが私が追求するお店でもあります。私が長年こだわり続けているライブジャズの実現のため、今の渋谷新店があります。皆さまのご来店、お待ちしています。
▶1st.set…J.カーン♪I’m Old Fashioned、B.ゴルソン♪Whisper Not、ゴードン・ジェンキンス♪PS I Love You、スタンダード曲♪I’m All Smiles。
▶2nd.set…スタンダード曲ワルツ♪I’ll Take Romance、D.ガレスピー♪Groovin’ High、ジミー・マクヒュー♪Too Young to Go Steady、ベティー・カーターの歌った♪Social Call。ワルツやヴォーカルナンバーが多いのは央紹さんらしいですね。
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