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訃報:辛島文雄さん 享年68

Kyoko

2017年02月25日 土曜日

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▶私の古くからの大切な友人で、かけがえのないピアニストがまたひとり、天国に行ってしまわれました。昨夜、お店のステージのちょうど休憩中、アルトの池田篤さんから、たった今、辛島さんが息を引き取った、とご連絡がありました。あのピアノが聴かれなくなると思うと、今、残念でなりません。
▶彼とのおつきあいはもう40年近くなります。その間、彼はエルビン・ジョーンズ(ds)バンドのピアニストに抜擢されて世界ツアーに出たり、5年間ほど世界のあちこち回って来られたり。帰国された時、弾いたピアノのタッチがものすごくきれいになっていて驚いた覚えがあります。彼の話によると、ツアーで世界に行くとひどいピアノが多く、それでも演奏しなければならないので、ピアノが良く鳴る奏法を一生懸命研究した。苦労もしたけれど勉強になった、とおっしゃっていましたっけ。彼のピアノはもちろん、スポーツも得意な九州男児で男気があり、大好きなミュージシャンでした。
▶10年以上前から若いミュージシャンと組んで演奏するようになって、当店でも楠井五月(b)さんと小松伸行(ds)さんのトリオで、レギュラーで5年以上出演されていました。いつも演奏が終ると必ず熱心に反省会をして、まだまだだった若者を叱咤激励されていました。今、その時の二人は、プロとして忙しい毎日をおくることが出来ています。彼とのそんな日々があったからだと思います。
▶そのように何事にも研究熱心で、ゴルフはシングルでした。陽に焼けた健康的なお顔で病気とは縁がない人だと思っていましたから、癌で入院と聞いた時は本当にショックでした。病院にお見舞いに行くとワリと元気でしたので、きっと持ち前の根性で癌を追い出すに違いない、と思ったのですが…。闘病中は、ピアノを弾くと元気が出る、と言うので当店にも出演していただき、彼らしいキレのいい心のこもった素晴らしい演奏を聴き、嬉しくなったのですが…。つい先日、電話でお話しましたが、あれが最後になってしまったのですね。その時もピアノを弾きたいと、おっしゃって…。
▶でも最後まで「ピットイン」で弾いていらしたのは、彼にとって幸せなことだったと思います。ピットイン・ミュージック佐藤社長さん品川さん、感謝申し上げます。私は泣き虫なので会いに行けませんでしたが、元気でピアノを弾く彼の姿を思い浮かべたいと思っています。奥様とご家族の方にお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈りします。向こうで思う存分弾いてください。   合掌
昨年6月、闘病中に当店に出演された時のステージ。やはりお一人で2ステージを務めるのはしんどい、ということで、若井優也(pf)さんとのダブル出演になりました。

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