デイリーレポート
息を呑むほどシビれた素晴らしい極上のジャズ
▶ケイ赤城(pf) さんと 若井俊也(b) 本田珠也(ds)さんのトリオは、とにかく凄い演奏でした。ケイさんが年に1,2度帰国出演するようになってこのメンバーが固まってから4年が経ちました。珠也さんは亡くなった菊池雅章(pf)さんのレギュラードラマーで素晴らしい経験を積まれていましたが、このユニットで眼を見張るほどの長足の進歩です。聴く度に驚かされるドラミングで、昨夜もケイさんの曲を引き立たせました。若井さんはその珠也さんの推薦で音色が素晴らしいベースです。
▶ケイさんはかつて、テープを送ってそれを聴いたM.デイビスが気に入ってマイルスバンドに抜擢されたピアニストで、今はLAで教授をされていますが、昨夜のピアノは「さすがマイルスが選んだ最後のピアニスト」と唸ってしまうほど斬新で魅力的なオリジナル曲。そのスリリングなスピード感にシビれ息を呑みました。いらしていたジャズ通のファンの方も私と同様、衝撃をうけたとおっしゃるほど珠玉のステージでした。
▶1st.stage…全てケイさんのオリジナル曲です。2015年の作品から♪犬とへび、最近のアルバムタイトル曲♪Circle Point、♪It Usually Doesn’t 3.0、イントロピアノソロから出た♪Slow Town…流れるようなアップテンポの曲でした。
▶2nd.stage…2016年作♪作品ナンバー29…綺麗なバラードでピアノとドラムスが同じリズムパターンの繰り返しから始った曲。3人で一緒に出た♪昔のおばけ。続いてピアノは箱の中の弦を、それぞれは自分の楽器を叩きながら始った斬新な♪Shikakugai Katudou (資格外活動=♪Unqualified Activities)、アンコールはスタンダード曲 H.シルバーの♪Peace…深いグルーブでこれまで聴いたことがない素晴しい♪Peaceでした。
▶ピアノの芯の音がして、リズム隊のふたりは凄いリズムを奏で、私のボケた脳が目覚めたような感じでした。今回の帰国演奏は東京地方だけ。次回のレコーディングの準備をされて、8月の終わりにNYでこのトリオのレコーディングをされるそうです。ケイさん、2016年の作品は、ナンバー29からすでに53番まで出来ているということですが、曲名は全てこれから付けるそうです。そして12月には当店でその発売記念ライブをすることになりました。とても楽しみです。皆様、乞うご期待!
読者の投稿