デイリーレポート
満席の中で吹かせたかった素晴らしいNYサウンド
▶3年ぶりの帰国ライブ、大野俊三(tp) さんのクァルテット。大野さんはかつてNYに渡って以来数多くのビッグネームと共演し世界ツアーを行い、2度のグラミーを受賞し、世界で活躍する日本人奏者として米国で一番有名だった方です。途中で再起不能と言われたガンを克服し、奇跡と言われるカムバックを果たしてからも、数々の賞を受賞するなど大活躍。昨年リリースしたアルバム「Re New」は、世界最大の国際作曲コンペティションでグランプリ、120カ国応募の頂点に立ちました。でもNYでの活動が長く近年の日本のジャズシーンにあまり表れなかったせいか、中高年以下の最近の若い方には知名度が少ないせいか、昨夜の当店の寂しい客席が私には信じられないくらいでした。
▶クァルテット・メンバーは、NYから時々当店で演奏されるデビット・バーグマン(pf)さん、半年ごとに行き来しているジーン・ジャクソン(ds)さん、そしてウッドとエレベを持ち替える 古木圭介(b)さん。ジーンさんが叩き出す4ビート以外に8ビートやロック調など色んなスタイルのしっかりしたリズムに乗って、音色が素晴らしい大野さんのトランペットが鳴り響きました。NY在住40年以上、気持ちのいいジャズはNYの香りがいっぱい。私の中の「やっぱりNew York ね」という思いをまた感じたステージでした。
▶1st.stage…♪All In One、♪Easy Does It、日本の曲♪おぼろ月夜…テーマは始めと終りで中はアレンジされたジャズ、とても良かったです。ドラムイントロからベースはエレベで♪First Step。
▶2nd.stage…♪April Moon、♪Lea’s Run…ウッドベースから出てシンセサイザーとキーボードを使いトランペットはミルト付けて演奏。♪Alone Not Alone…良い曲です。♪MUSASHI…ストレートで力強い曲でそれぞれのソロが入りました。アンコールは♪Stella By Starlight。
▶心のこもった素晴らしいジャズ・サウンドでしたが、聴き手が少なくて…何故なの?と思いながらも、もったいないやらミュージシャンに申し訳ないやら。久し振りの帰国ツアーでしたので満々席になると思ったのですが…。凄くいいミュージシャンや演奏の夜にお客さまが少ないことが時々あります。ジャズファンのセンスが変わってしまったのか、私のジャズファンとしてのブッキングセンスが鈍ってしまったのか…。複雑な想いでいい演奏を堪能した夜でした。
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