デイリーレポート

14年目の今年も集まって変わらぬ想いを一つにしたチャリティーライブ
10/18(土)は中村健吾プロデュース第14回東北大震災チャリティーライブ 《Voice of Hope 14》
▶あの日から14年、世の中も世界もだいぶ変わりました。今年は諸物価高騰による大不況で、例年よりお客様が少なく集まった浄財もそう多くはありません。親御さん亡くされた子どもたちの成人ももうすぐです。でも風化させたくありません。健吾さんもそんな思いだと思います。
▶今年も各地から、10人のシンガーとバッキングメンバーが皆さん手弁当無報酬でやってきてくださいました。トリオ三人は朝10時半からお店に入りリハ。恒例により10人がそれぞれ2曲歌われますから、バッキングは全部で20曲。お疲れ様、本当にご苦労さまでした。
◉私は沖縄から来られたマヤ・ハッチ ママのお嬢さん(まだ赤ちゃんです)のお守りで忙しく、と言っても私も赤ちゃんは好きなのですが、いらしていた倉田さんにレポートはお任せしました。
【倉田レポート】(一部写真提供も倉田さん)
▶東日本大震災チャリティーライブ ”VOICES OF HOPE 14”がBODY&SOULで開催されました。震災直後に生まれた子どもたちが成人するまで援助したいとベーシストの中村健吾さんが中心になって始めた企画だそうで、10人のシンガーが2曲ずつ歌われました。
▶バッキングは、ベースはもちろん中村健吾さん、ピアノがデニス・ランバートさん、ドラムスがデニス・フレーゼさんで、出演されたシンガーは登場順に、緒方利菜さん、堀北やこさん、グレース・マーヤさん(弾き語り)、リレットさん(from 鹿児島)/Emaさん、矢崎恵理さん、NAOKOさん、Remiさん、チャリートさん、マヤ・ハッチ さん(from 沖縄)でした。
▶第一線でご活躍中のシンガーの皆さんが、このように一堂に会することはあり得ないというほど豪華なライブで、中村さんのお人柄と、京子ママのご尽力ゆえと思います。
1st.set…
▶中村さんが登場され、ご挨拶とチャリティーライブの趣旨のご説明がありました。バッキングメンバーの紹介に続いて、トップバッターの緒方さんが登場。緒方さんは初参加です。白いエレキギターを弾きながら高音の歌声に息が乗り、とても聴きやすい歌声を響かせます。♪On The Sunny Side Of The Street ではギターを下ろしハンドマイクで歩きながら歌い、最後にはスキャットも披露されました。先輩たちがステージ左のボックスシートに勢ぞろいしていて、緊張するだろうなぁと感じましたが、緒方さんは堂々としたステージでした。
▶堀北さんは、安定感のある温かい歌声で歌い、軽快にスキャットを響かせます。コロナ禍でエラ・フィッツジェラルドの歌唱で出会ったという彼女の2ndアルバムのタイトル曲♪Reach For Tomorrow を密やかな響きで雰囲気たっぷりに歌います。しばらくランバートさんとデュオで歌い、中村さんがアルコ(弓)でのベースソロで情感を煽ります。堀北さんは幹のしっかりとした歌声、華やかな歌唱で観客を魅了し、しっとりとこの曲の演奏を結びます。
▶ランバートさんが退場し、グレース・マーヤさんがピアノの前の椅子に座り、粋なイントロを弾き独特の節回しで歌っていきます。歌い終わると中村さんに 「リハーサル通りですね」 と語り掛け、中村さんは 「リハ来てないからね!!」 と観客を笑わせます。♪Harvest Moon では、ベース、ブラシと溶け合うように歌い、観客を自分の世界に引き込み、パワフルにピアノソロを弾いていきました。
▶リレットさんは笑顔で♪On a Clear Day を歌い、速度を上げて軽快に伸びやかな歌声を響かせ、観客を見ながら貫禄のステージを展開します。一転して♪Skylark では、ランバートさんがゆったりと弾くピアノ、フレーゼさんの密やかなブラシ、中村さんの穏やかなベースをバックに綺麗な歌声を力強く響かせました。
▶Ema さんは、12回目の参加で初めはトップバッターを何回か務め、心臓が口から出そうになる思いだったそうですが、今は良い意味での緊張感がある、と話します。中村さんの 「あなたは一人じゃない」 というメッセージに合わせて選曲をされたそうです。♪People では繊細な歌声から伸びやかな透明感のある歌声を響かせます。身振り手振りを交え、表情豊かに演じるように歌っていきます。♪Come Rain Or Come Shine では、トリオと共に疾走するように、凄い力感で歌い、フレーゼさんはここまでで最大出力のドラムソロを披露されました。
▶5分押しで2nd.セットが始まり、中村さんからのリクエスト(?)で、京子ママがご挨拶をされました。14年続いているのは、ミュージシャンと皆様のおかげです。ありがとうございます、とお話になりました。中村さんが、京子ママに感謝の気持ちを述べられました。
▶2回目の参加となる矢崎恵理さんが登場。トリオの演奏に続いて、明るい歌声で歌い始めます。ハンドマイクで軽快に♪That’s All ではリズミカルに歌い、フルートのような音色を感じさせる歌声が会場に響きます。♪Dindiでは、ランバートさんの綺麗な音色のピアノとデュオで歌い始めます。ブラシでシンバルを叩く音、重厚なアルコの音が続き、矢崎さんはしっとりと歌い澄んだ歌声で綺麗な空気感を作ります。
▶NAOKOさんは、♪Que Será, Será (ケセラセラ) を英語と日本語で歌われました。初めは豊かな声量でゆったりと英語で歌い、続けて穏やかですが力強く、温かい歌声で日本語での歌唱になりました。♪The Nearness Of You では、ふんわりと歌声に息を乗せ、柔らかく歌います。長く伸びやかな歌声が心地良く響き、描いていく世界観が色彩豊かです。この曲でも、中村さんがアルコで歌っていくソロ演奏がありました。
▶Remi さんが登場し、前に歌った NAOKO さんを 「全身発光体のようで中から輝いている」 と評し、観客を和ませます。Remi さんは、♪You Raise Me Up の歌詞の冒頭を紹介し、毎年のように通っている気仙沼の話をします。子供たちや暮らしている人々の変化を感じると、一歩を踏み出すために、この曲のようにそばにいて見守ってくれることは救われることで、このチャリティーライブがそうした存在になっていてほしいと話します。スタンドマイクを両手で抱くようにして祈るように歌い、美しい歌声を響かせ大きく歌い上げしっとりと結びました。
▶チャリートさんも、14回を重ねたチャリティーライブについての想いを話し、災害に遭っても、音楽を続けられることが素晴らしいと話します。チャリートさんは、力強い歌声で、卓越した歌唱の技術を見せつけます。豊かな声量にトリオが大きく呼応して演奏し、チャリートさんはメンバーそれぞれに近づき挑発し、ソロを求め向き合ってスキャットを響かせます。何一つ制約がなく自由に振る舞い、観客と共に演奏を楽しむエンターテイナーとしてのステージは圧倒的でした。
▶マヤ・ハッチさんが登場すると、京子ママがマヤさんのお子さんを抱っこして、最前列の席に座ります。中村さんはエレキベースに持ち替えます。マヤさんがトリオの演奏に続いて、繊細で潤いのある歌声を響かせます。伸びやかに歌っていき、力強い歌唱で進みます。ランバートさんがピアノソロで粋なフレーズを弾き、エレベの低い音リムショット、シンバルの涼やかな音が並走します。突き抜けるような高音で、スキャットを響かせました。
▶マヤさんは、ランバートさんとBXPというジャズ・フュージョンのバンドを組んでいて、ランバートさんがそのバンドのためにアレンジした♪Imagine を演奏されました。中村さんの豪快なエレベ、ランバートさんの軽快なピアノ、フレーゼさんのリムショット、シンバルでマヤさんがどこまでも伸びていくパワフルな歌唱を披露され、疾走感とグルーヴ感溢れる演奏で盛り上がりました。
▶アンコールでは、出演者全員がステージに登場し、中村さんが改めてメンバー紹介をされました。フレーゼさんのお友達でドイツのピアニスト セバスチャン・ガーラーさんがシットインしてランバートさんと交代。観客も巻き込んで♪What’s Going On を楽しく演奏しチャリティーライブの幕を降ろしました。
▶中村さんが改めて 「あと4年がんばりましょう!!」 と宣言されました。来年のチャリティーライブも聴きたいと思いました。


































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