デイリーレポート

NY以来20年来の知己が久しぶりに織りなす上質な“音による対話”を堪能
6/12(木)はパット・グリン(b) 阿部大輔(g) さんの《パット・グリン&阿部大輔デュオステージ》
▶昨夜はパット・グリン(b) 阿部大輔(g) さんの《パット・グリン&阿部大輔デュオステージ》は、派手な音がないのですが、音楽的にもとても上質な素晴らしい共演で、まさにまさに二人の上品な“音でする対話”を聴くようでした。当店でもコールの多いパットさんと、長年NY在住で活躍しコロナ禍で帰国された阿部さんとが、最初にお会いしたのはNYでだったとか。それ以来の知己同士、流石だと思いました。
▶詳しいライブの様子は、いつも熱心にお聴きになっていらっしゃるこの欄ではお馴染になった K さん (お名前を出してもいいとのことで…) 倉田さんが、レポート書いてくださいましたので、転載させていただきます。その倉田さんが 「こんなにいい素晴らしい演奏なのに、お客さが少ないのはなぜ」 と不思議がっておられましたが、いいベーシストはいわば“裏方”ですし、阿部さんは日本ではまだあまり知られていませんから、仕方ないですね。また組みますから、ぜひお越しください。
まず、演奏曲は
▶1st.set…アーヴィング・バーリン♪The Best Thing For You is Me。パット・グリン作♪O.S.。アメリカ民謡♪Oh Shenandoah (広大なミズーリ川を越えて)、ギタリスト グラント・グリーンの♪Freedom March。Bストレイホーンの♪A Flower Is A Lovesome Thing。阿部大輔作♪Last Call。
▶2nd.set…阿部大輔作♪Message From North。S.ロリンズ♪Oleo。スタンダード曲♪On Green Dolphin Street。パット・グリン作♪Daylight。阿部大輔作♪Another Journey。アンコール曲はT.モンクの♪Reflections でした。
====以下は倉田さんの投稿より====
▶ニューヨークで出会い、20年を超えるお付き合いというベーシストのパット・グリンさんと、ギタリストの阿部大輔さんのデュオステージが開催されました。パットさん、阿部さんのオリジナル曲、スタンダード曲を演奏されました。
▶定刻になり、お二人がステージに登場し演奏が始まります。パットさんの太く、重厚な音色のベース、高く甘い音色のギターの二重奏です。阿部さんのギターソロでは、軽やかなタッチで繊細に弾いて、明るく力強い音色を響かせます。パットさんは阿部さんを見ながらパワフルなベースの音で並走します。
▶パットさんのベースソロになると、高速に弾き豪快な音を放ち、今度は阿部さんがパットさんに視線を送りながら軽快にギターを奏でます。超高速でダイナミックなパットさんのベースと、柔らかくメロディアスな阿部さんのギターの二重奏で、♪The Best Thing For You Is Meの演奏が進みました。デュオステージということもあり、ステージの両側のスピーカーは使わず、楽器の生の音が聴こえます。
▶お二人のオリジナル曲は、パットさんが♪O.S.、♪Daylightを、阿部さんが♪Last Call、♪Message From North、♪Another Journeyを披露されました。
▶♪Daylightは、パットさんのDayさんへの想いが溢れる素敵な曲でした。お二人で柔らかく演奏が始まり、阿部さんのギターソロではゆったり、しみじみと、優しい音色で観客に語り掛けるように弾き、パットさんが温かい音で寄り添います。パットさんはベースソロになると、勢いよく弾き、高い音を強く響かせ情感豊かに弾いていきます。一音を華やかに弾き、速度を上げて緩急豊かに、歌うようにして演奏を進めます。二重奏ではギターは優しい音で、ベースは温かい音を響かせます。
▶阿部さんの二人目のお子様が誕生されたときに、当時お住まいだったニューヨークの自宅アパートで、奥様のベーシストの津川久里子さんと録音・制作したアルバムが「Another Journey」です。そのタイトル曲を演奏されました。阿部さんの掛け声でギターと弓で演奏が始まり、二重奏から阿部さんのギターが前に出ます。阿部さんがピックではなく指で弾く真摯で繊細な音色が響き、パットさんのベースが並走します。ベースソロを経て、再びギターが華やかな音色で速度を上げて弾き進みます。パットさんは強い音でリズミカルに弾き、一瞬音が止まります。ギターだけの演奏からベースが続き、パットさんがアルコで情感を煽ります。
▶パットさんは強靭な指でパワフルにベースを弾き、強い音を響かせ、独特の緩急、強弱で、大きく歌うような演奏です。力感豊かにスリリングな演奏を楽しませていただきました。阿部さんは、弦を押さえる左手の動きがとても滑らかで、右手で端正に弾き、繊細で綺麗な響きの音色を生み出していきます。お二人が時折、笑顔を交わし、楽しそうに演奏を進める様子が心に残りました。
▶第一線で演奏活動を展開されているお二人のデュオでのステージは、とても贅沢な機会で、ベースとギターの綺麗な生の音を楽しませていただきました。外国人のお客様も多く参加され、終演後にはお二人とのお話に花を咲かせていました。次回もとても楽しみです!!












読者の投稿