デイリーレポート
レジェンドたちを偲び思い出の曲が演奏された温かい心なごむステージ
6/13(土)は 井上智(g) 武本和大(pf) 増原巌(b) 横山和明(ds) さんの《井上智ギタークァルテット》
▶週末の昨夜は長い間同じメンバーを組んでライブ活動を行っている《井上智ギタークァルテット》レギュラーメンバー 井上智(g) 武本和大(pf) 増原巌(b) 横山和明(ds) さん。メロディ楽器のギター井上さんとピアノの武本さんの相性が特にいいのだと思います。かなり昔の話、このような編成でやった時のこと、リハの時は和気あいあいでしたが、本番が始まるとどっちがフロントか決めてなくてギタリストがプレイを止めてしまったことがありました。
▶昨夜は 1st. セットの休憩の時、演奏者たちが楽しくていいね、と言っていたのを聞いて昔のことを思い出しました。演奏曲は、先日亡くなった中牟礼さん北川さん、そしてソニー・ロリンズを偲んだ曲が演奏されました。音色が明るくてバラエティーに富んでいて、ふとウチで演ってたころのことを思い出しました。客席には北川さんの元奥様がいらしていて、涙ぐんでおられたのが心に残りました。とても温かい気持ちの良いステージでした。
▶1st.set…
S.ロリンズ♪ Pent-Up House (鬱積した気持ち)/S.ロリンズ♪ Valse Hot (仏語=熱いワルツ)/先日亡くなられた中牟礼貞則さんを偲んで彼がよく演奏されていたスタンダード曲♪ Detour Ahead (この先迂回路あり)/J.コルトレーンのブルースを先月亡くなられたベーシスト北川潔さんのアレンジで♪ Equinox (春分/秋分)/S.ロリンズ♪ Everywhere Calypso…ロリンズのルーツはカリブ海の島 (母はSt. Thomas 島)。
▶2nd.set…
最初期のマイルバンドのピアニスト ヴィクター・フェルドマンとマイルスの共作 ♪ Seven Steps To Heaven/武本和大作♪ A Place (居場所)/井上智作♪ Song For Koto k(琴のための歌)/ベーシスト、ロン・カーターの♪ Receipt Please/井上智作♪ Paz Y Amor Siempre (ス語=平和/愛をいつまでも)/アンコール曲はフルーティスト山本深雪さんがシットイン参加しミュージカル「野郎どもと女たち」 より♪ If I Were A Bell の演奏でした。
=======【倉田レポート】=======
▶1st.セットではソニー・ロリンズなど他界されたミュージシャンを追悼する曲、2nd.セットでは、井上さん武本さんのオリジナル曲とスタンダード曲などを演奏されました。
バンドメンバーがステージに登場し井上さんがご挨拶とメンバー紹介。井上さんのギターと横山さんのドラムスから軽快に演奏が始まり、武本さんのピアノ増原さんのベースが続きます。井上さんのギターソロになると演奏が走り始めます。井上さんは右足でリズムを取りながら、軽く歌うようにして躍動しながら弾いていきます。ピアノの方を向き武本さんと笑顔を交わしながら弾き、武本さんのピアノソロへ移行します。
▶武本さんは速度感豊かに弾き進み、パワフルな打鍵でダイナミックに弾いていくと、横山さんのドラムスが大きく呼応します。武本さんは笑顔でさらに勢いを増し、スリリングな演奏になります。増原さんのベースソロでは、三本の指の腹で弦を撫でるように弾き、目を閉じたまま力感に溢れながら弾いていきます。横山さんはギターとピアノの合いの手でドラムソロを叩きますが、合いの手の間隔が短くなっていき強いテンションを感じる演奏になります。一曲目の♪Pent-up House から熱い演奏になりました。
▶5月25日に95歳で他界されたソニー・ロリンズを追悼して二曲演奏。一週間ほど前に急逝された中牟礼貞則さんがよく演奏されたという♪Detour Ahead を演奏されました。井上さんは 「中牟礼さんはいつも姿勢が良くて侍のような出で立ちだった。アンプを運ぶのを手伝おうとすると、自分で運べなくなったらいけない、と手伝わせてもらえなかった。ジョークも好きで楽しいお人柄だった」 と思い出を語ります。
▶この曲のギターソロでは、ゆったりと綺麗な音色を響かせ、少しずつ力強い音色になって情感を増していきます。追悼の気持ちを込めるように強く目を閉じて、華やかにギターを弾いていきました。
▶ベーシストの北川潔さんを偲んで、北川さんがアレンジした♪Equinox を演奏されました。一斉に演奏がスタートし井上さんは豪快でスリリングなギターソロを、武本さんは高らかに歌うように弾き煌びやかな音色で高速にパワフルなピアノソロを、増原さんは速いタッチで一音一音を大きく響かせ熱量の高いベースソロを披露されました。ソニー・ロリンズの曲に戻り、リズミカルに♪Everywhere Calypso を演奏し1st.セットを結びます。
▶2nd.セットに入ると演奏はパワーを増していきます。♪Seven Steps To Heaven では、メンバーそれぞれが力の入ったソロ演奏を披露します。続いて武本さんのオリジナル曲♪A Place を演奏。武本さんが繊細な音で星空のように綺麗な旋律を弾き、井上さんがギターでテーマを柔らかく弾いていきます。後半には武本さんが美しいメロディーを熱っぽく弾いていき、横山さんがこの日の最大出力で大熱演のドラムソロを披露されました。
▶井上さんが初めて作曲した曲という♪Song For Koto は、20代の最後にニューヨークで Asian Jazz Festival に参加されたときに、共演者のお箏のために書いた曲だそうです。井上さんはまるでお箏のような音でギターを弾き始め、ソロパートでは速度を上げて弾いていき、いつの間にか、華やかな演奏になっています。
▶ロン・カーターの♪Receipt Please という楽しいタイトルの曲に続き、井上さんのラテンの曲♪Paz y Amor Siempre の演奏になりました。横山さんがリムショットとシンバルでラテンのリズムを刻み、井上さんがギターソロを弾いていきます。速弾きでぐんぐん進み中盤にはじっくりと弾き後半には大きく歌い上げるように弾き進みます。武本さんのダイナミックなピアノソロ、増原さんの太く強い音で弾くベースソロに続き、横山さんの豪快なドラムスで鮮やかに 2nd.セットの演奏を結びます。
▶アンコールでは、フルート奏者の山本深雪さんがシットインされ、♪If I Were A Bell を演奏し、綺麗な余韻を残してこの日のライブを締めくくりました。聴きごたえのある魅力的な曲の数々を熱量高く演奏されました。井上さんのお人柄そのままに楽しい雰囲気で会場を包み、充実した時間を過ごさせていただきました。また次回も楽しみです。


















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