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デイリーレポート

素晴らしい演奏を二つのライブレポートでお楽しみください

素晴らしい演奏を二つのライブレポートでお楽しみください

Kyoko

2026年05月13日 水曜日

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5/12(火)は《中村健吾 New Electric Trio》メンバー 豊秀彩華(pf,key) 中村健吾(b) 関根豊明(ds) さん

▶健吾さんはウッドベースとエレベを曲によって持ち替えての演奏、彩華さんは keyboard を持ち込みやはり曲により弾き替えて演奏、ドラマー関根さんはどちらにもバランスよくサポート。健吾さんの優しいお人柄が表れたような、派手さよりも柔らかな音楽性を追求するバラエティーに富んだセットリストのステージで、[Oh! JAZZ] による世界中継配信も行われました。
▶健吾さんはNY生活が長く、NYのお仲間で早世された白崎さんの曲も演奏され、彼女の面影を思い出しました。今はNYと日本を行ったり来たりの生活で、最後は今NYから来日したまたまいらしていたマリオン・カウィングスさんを呼び出し、シットインで歌われました。さすがレジェンドの歌は愛があり、気持ちが温かくなりました。
▶1st.set…
中村健吾作♪Walkin’ Together…ウォーキング感覚のあるグルーヴ/健吾作バラード♪I Will/バロック音楽の巨匠J.S.バッハの半音階的幻想曲とフーガ♪Chromatic Fantasy…よくジャズ化される曲/讃美歌 (元はアイルランド民謡)♪Amazing Grace (アメイジング・グレース)/オペラ 「ポーギーとベス」 よりG.ガーシュイン♪Summertime/健吾作C.ミンガス へのオマージュ♪Mingus Figures
▶2nd.set…
中村健吾♪Divine (崇高なという意味)/健吾作♪Cat Walk/健吾作♪Sad Song/ピアニスト白崎彩子作♪Sunrise…白崎さんは長くNYで活躍し多くの曲を残され2021年逝去享年52でした/アンコール曲は健吾作♪Lullaby (子守歌)/すぐその後ヴォーカル レジェンドで多くのお弟子さんを持ち今NYから来日中で当店を訪れたマリオン・カウィングスさんがシットインして歌われましたG&Iガーシュイン兄弟のラブソング♪Our Love Is Here To Stay。
★昔のご常連さんで久しぶりにいらした中西さんが、昨夜のステージを facebook に投稿してくださいました。許可を得て中西レポートを転載させていただきます。さらに長くなりますが、昨夜はいつものご常連倉田さんもいらして投稿してくださいました。せっかくですのでお二人の投稿を併載させていただきます。同じステージにもファンにより色んな感じ方があるのですね。ジャズのいいところですね。
=======【中西レポート】=======
ベーシスト中村健吾は私にとっては特別な存在で、私が41歳にしてはじめてジャズクラブでのライブ演奏を聴いた音楽家である。中村健吾のデビューアルバム”DIVINE”のリリース記念全国ツアーの初日、場所は六本木。ピアニスト小曽根真とのデュオであった。二度目は同じツアーの最終日、当時南青山にあった BODY&SOUL。だから京子ママともはじめて出会ったのもその時である。
▶小曽根真とともに、私にジャズの深遠な世界を開いてくれたのは、まちがいなく中村健吾でありそのことは忘れようがない。あれからまさに四半世紀の時が過ぎた。渋谷に移転したBODY&SOULがこの9月で閉店する。ステージ上の中村健吾自身も、京子ママへの深い感謝とともに、閉店のことをしきりに残念がっていたが、まさにその年に中村は新しいエレクトリック・トリオを始めようというのである。
▶中村は高校一年生のときにエレべにはじめて出会い、その虜になった。だからとても愛着があるのだという。ジャズの世界に入りウッドベースを弾くことが主になっても、エレベに対する思い入れは変わらない。だから時々、いや最近ではしばしば、ライブでエレクトリックベースを演奏する機会を増やしてきていた。しかし今回はエレクトリックトリオとしてエレべを全面に出すというのだ。このエレクトリックトリオをはじめるにあたり、ドラマーに関根豊明を迎えた。ピアノ・キーボードの豊秀彩華との共演も多い彼だが、しかし中村とは初共演である。中村のエレベ、豊秀のキーボードとのベストマッチングが期待されていた。
▶セットリストに注記したが、中村がエレべを演奏するときには豊秀がキーボードで演奏に加わる。中村はエレクトリックとアコースティックを自在に持ち替えての演奏を展開するから、ドラムのコントロールはかなり難しいのではないかと推量する。それをはじめてのセッションで見事に実現し、演奏が進むにつれてグルーブを作りながらタイトになってゆく関根がすばらしかった。
▶中村はセットリストの中心に Kengo’s Classics と名付けた自作の曲を置くが、それこそ四半世紀の間聞き続けてきた中村らしい端正だが、ときにファンキーな楽曲が、新たなアレンジと演奏とで再創造されていった。それは中村健吾が開く新たな音楽の地平だと言ってよい。ひとつひとつの楽曲の詳細なレポートはできないが、特に印象深かった数曲について述べる。
▶1st セットの3曲目の Chiromatic Fantasy はバッハの楽曲だが、なじみ深いAmezing Grace をフィーチャーして、エレクトリックベースの新しい境地を開いた。原曲は「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 」というバッハの傑作だが、中村はエレクトリックベースを速弾きするテクニックで応えた。4曲目の Summer Timeは、冒頭をエレベで入りすぐにウッドベースに持ち替えて、アルコで叙情性を高めていくという工夫を見せた。オーディエンスの予想を超える展開であったし、またエレベをジャズミュージックに息づかせる見事な試みであったといえる。
▶2nd セットの1曲目は、中村のファーストアルバムのタイトルチューンDIVINEだが、冒頭にパイプオルガンの長い導入部を置いて教会風の荘厳さを演出した。豊秀のソロ演奏も見事だったが、中村はそれを引き継いでエレクトリックベースで引き継いで斬新な演奏をした。静謐で美しいバラードが、エレクトリックトリオの作り出すグルーブの中で躍動していたと思う。私自身はこの曲こそ、四半世紀前にはじめて聴いた中村の楽曲、そしてとりもなおさずジャズクラブではじめて聴いた楽曲で、新しい世界観の提示を興奮と感動をもって聴いていた。
▶中村は、ディープパープルのコンサートに行ってこのアレンジの示唆をもらったと語っていたが、ロックの世界では、プロコルハルムの「青い影」などに見られるように、宗教性・瞑想性の高い楽曲が存在していた。それを中村はジャズの世界でも実現しようとしているのであろう。まさに志の高さを実感する堂々の演奏であった。
▶4曲目の Sunrise は、惜しくも早世した白崎綾子の楽曲で、ハイチのリズムをベースにしたもの。ご機嫌なサンバであった。5曲目の Marcy Marcy Marcyはキャノンボール・アダレイの演奏で有名なスタンダードだが、旋律のポピュラリティと軽快なリズムによって今夜のライブをしめくくるにふさわしい熱狂を聴衆に与えた。
豊秀と関根のソロもすばらしく、特に関根ははじめてのセッションとは思えない絶妙のアンサンブルを見せてくれた。中村健吾の持つ音楽への愛と情熱とが、まずメンバーに伝わり、それが聴衆に確実に伝わり見事なライブを作り上げる。ベテランの中村健吾が背中で見せる熱さを、豊秀も関根も愛として受け取りすばらしい演奏で返してゆく。中村健吾流にして最高のライブセッションであったことは間違いない。
▶アンコールは、母の日が近いということもあって、中村のLullabyがアコースティックでロマンチックに演奏された。美しかった。中村のコンポーザーとしての才能にも深く感謝したい。ダブルアンコールは、NYから来日して会場に来ていた男性シンガーマリオンさんが加わって、今夜随一の歌。彼が選んだのは、ガーシュイン兄弟のLove Is Here To Stayだった。『ジョージ・ガーシュインがこの曲を書いてね、それで死んだんだ。そのあと兄のアイラが詩をつけたわけ。愛はここにとどまっているってね』マリオンさんはそう説明して、メンバーがキーを共有して歌がはじまった。そして、Body&Soul はNYになった。マリオンさんが指で指示をすると、トリオのメンバーが短いソロをとる。それが見事でマリオンさんが魔法使いのように感じられた。それがジャズ。京子ママも彼のことが大好きで尊敬しているのだと繰り返した。ほんとにジャズはすばらしい。毎夜奇跡が繰り返されているのだ。
▶BODY&SOUL でのこのエレクトリックトリオでの演奏は、最初で最後になるかもしてないと中村はいう。残念がる。だかこのデビューの成功は、このバンドがこれからも続くことを確言したのと同じだ。ぜひ次の機会には、もっともっと多くの方々に聴いていただきたいと念願している。この愛のない、闘いばかりある醜悪な世界には、そしてとりわけ私には、中村健吾が必要なのである。
=======【倉田レポート】=======
この夜は中村さんがエレクトリックベースとウッドベース、豊秀さんがピアノとキーボードを曲によって使い分けるスタイルで、主にエレクトリックで中村さんのオリジナル曲を中心に演奏されました。私は 2nd.セットの2曲目♪Cat Walk から聴かせていただきました。
▶2nd セット2曲目♪Cat Walk⋯豊秀さんが軽快にピアノソロを弾き、中村さんのエレキベースソロになったところでパワフルで華やかなサウンドが響いています。観客の心を躍らせる音 躍動感豊かな演奏で、関根さんのドラムスが強い音で並走します。豊秀さんのピアノが前に出てアンサンブルになり、関根さんのドラムスで演奏を結びます。
▶中村さんが、悲しいことがたくさん起こっている世界情勢に鑑みて、祈り悲しみ怒りを込めた曲♪Sad Song を演奏します、と話して演奏が始まります。中村さんはウッドベースに持ち替えます。中村さんのアルコと豊秀さんのピアノの二重奏で、重厚な音と綺麗なメロディーを弾き、やり切れない想いを伝えます。
▶関根さんがシンバルとドラムをマレットで連打します。中村さんは指でベースを弾き、豊秀さんは静かな表情でゆっくりとピアノを弾いていきます。ゆったりと弾き始め少しずつ強さを増していくピアノソロ、次々とシンバル ドラムを叩き、速度と強度を上げて強い怒りを感じさせるドラムソロからアンサンブルになり、中村さんの強い残響を響かせるベースの音が聴こえてきます。最後は再びアルコで重厚な音を弾き、この曲の演奏を締めくくります。
▶中村さんが『今夜は一緒に演奏を続けていた白崎彩子さんのお兄さんが来てくれています』と紹介し彩子さんの曲を演奏しますと話します。ハイチの大地震の後に作曲した♪Sunrise を関根さんのドラムスをフィーチャーして演奏されました。関根さんの演奏から始まり中村さんがエレベで低い音を踊らせるように弾き、速度を上げて刺激的なサウンドを響かせます。さらに疾走していき凄い力感で弾き進み、その中村さんを豊秀さんが見ながらピアノを弾き、大きな笑顔で並走します。その勢いを受け継ぐように勢いよくピアノソロを弾き、関根さんはパワフルなドラムソロで続き、スケールの大きな演奏になりました。
▶2nd セットの最後は、♪Mercy, Mercy, Mercyで、勢いよく一斉に演奏が始まります。豊秀さんが浮遊感のあるサウンドで軽快にキーボードを弾き、歌うように演奏して勢いを増していくと、観客席から手拍子が起こります。中村さんがエレベソロで親指で軽やかに弦を弾き、低く太くキレの良い音で弾き、速弾きで観客を沸かせます。関根さんが最大出力のダイナミックなドラムソロで、さらに盛り上がりました。関根さんが笑顔でドラムスを演奏する様子は、とても楽しい雰囲気を会場に広げます。
▶アンコールでは♪Lullaby で、中村さんが穏やかな中に力強さを感じさせる音でベースソロを弾き、速弾きで情感を煽ります。軽やかなアンサンブルでしっとりとした雰囲気を作り余韻を残します。
▶中村さんが、NYのジャズヴォーカリストで教育者のマリオン・カウィングスさんをご紹介されました。マリオンさんをお招きになったジャズシンガーの高田恵美さんも会場にいらっしゃいました。マリオンさんがシットインされ、♪Our Love Is Here To Stay を演奏されました。マリオンさんは温かく、幹の太い奥行きの深い歌声で、ゴージャスな演奏を印象付けます。バンドメンバーのソロ演奏に拍手を促し、楽しく演奏を進めます。中村さんのベースソロでは向き合ってマリオンさんと会話するようにして演奏されました。
▶バンドメンバーが笑顔を交わし合い、ある時はお互いのサウンドに驚き、刺激し合うような演奏を楽しませていただきました。マリオンさんのシットインというサプライズもあり、素晴らしいライブステージになりました。

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